「あるぶっ飛んだ愛の物語」コレラの時代の愛 ピンクマティーニさんの映画レビュー(感想・評価)
あるぶっ飛んだ愛の物語
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コロンビアのノーベル文学賞作家ガルシア・マルケスによる壮大なラブストーリー。以前から原作を読んでみたいと思いつつ取りかかれず、映画なら2時間であらすじがさらえるということで鑑賞しました。
ちょっと長かったけど、このぶっ飛んだ愛の物語に引き込まれました。主人公は50年以上も1人の女性を想い続け、それだけでなく近くで彼女の消息を見守り続けるかなり思い込みの激しいストーカー気質の男です。しかも彼女に貞節を誓いつつも何百人もの女性と性関係を結び、それを記録につけているというアタマのおかしい男性です。
ところがこれが小説となると、あり得るかもと思えてしまう。
純粋な愛を貫きつつ、性描写は滑稽であっけらかんとしていてラテン的なところが笑ってしまう。
この映画で生まれて初めて70代男女のラブシーンというもの、70代女性のヌード(特殊メイクですが)を見ました。衝撃的!
ところどころ、興味深い文学的な表現があり、やはりじっくりと原作を読んでみたい、できることなら原文を味わってみたいと思わされました。劇中のセリフは英語ですが、スペイン語だったらもっと情緒が感じられたことでしょう。
主役のハビエル・バルデムはかなり個性的なお顔立ちで苦手だったのですが、やはり上手いですね。特に老年時代の身のこなしはとても自然でした。彼のお芝居でこの映画にまたひとつ説得色が生まれたと思います。
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