劇場公開日 2008年8月9日

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コレラの時代の愛 : 映画評論・批評

2008年7月29日更新

2008年8月9日よりシャンテシネ、Bunkamuraル・シネマほかにてロードショー

マイク・ニューウェル演出による、軽やかかつ深い純愛物語

ひと目惚れした美女を半世紀以上も愛しつづけ、彼女への純潔を誓いながらも、結果的に肉体関係を持った女の数は622人。ガルシア=マルケス原作というだけでミーハー映画ファンには敷居が高くなりがちな純愛物語を、ハリウッド的なロマコメセンスも売りのマイク・ニューウェルが料理できるのか? そんな心配をしたくなる組み合わせだが、これが大正解。アート系監督が手がけたら小難しくなりかねない世界が、実に軽やか。そして、深い。

なにしろ、この2人は手紙だけで若い恋を育んだ間柄。そんな関係など、恋ではなく勘違いにすぎないと、ヒロインさえ早々に気付くほど。ところが、実はこの男が恋どころか生の真実もつかんでいることが、彼がお得意の恋文に紡ぐ言葉を通して浮かびあがるのである。その衝撃と感動ときたら、恋に幻想を抱かなくなった大人であればあるほど大きいはず。

キャスティングも大成功。ハビエル・バルデムは頑丈そうなガタイに似合わぬ少年のようなピュアな眼差しに、純愛男の一途さを体現。ヒロイン役のジョバンナ・メッツォジョルノは、ひと目惚れするのも納得の美しさ。純愛物語にリアリティをもたらすのは、生涯愛されるにふさわしい美しいヒロインの存在だということを証明している。

杉谷伸子

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