劇場公開日 2007年12月22日

魍魎の匣 : インタビュー

2007年12月14日更新

戦後間もない東京を舞台に、古書店店主、神主、そして憑物落としという3つの顔を持つ男・京極堂が複雑怪奇な事件を解き明かしていく、京極夏彦のベストセラー「京極堂(百鬼夜行)」シリーズ映画化第2弾「魍魎の匣(はこ)」。シリーズ第1作「姑獲鳥の夏」に続き、本作に出演した田中麗奈に語ってもらった。(聞き手:編集部)

田中麗奈インタビュー
「お客さんを楽しませたい、思いっきりいいものを届けたいと思ってます」

多数の話題作に出演してきた田中麗奈が、初のシリーズ物に挑戦
多数の話題作に出演してきた田中麗奈が、初のシリーズ物に挑戦

■初のシリーズ物、前作と違うところ

前作よりも大人びた印象を与える敦子
前作よりも大人びた印象を与える敦子

田中が前作に引き続き演じるのは、主人公・京極堂こと中禅寺秋彦(堤真一)の妹・中禅寺敦子。出不精な兄とは対照的に、活発で行動的な女性記者という役どころだ。田中にとっては、初のシリーズ物になる。

「敦子というキャラクターがとても好きですし、前回演じた後“もし次があるならこういう風にしたいな”と考えていたところもあるので、また(敦子を)演じられて嬉しかったです。堤さんの京極堂を含め、あのメンバーにまた会えるんだという楽しみもあって、すごくワクワクしました」

今回は、敦子自身も積極的に深く事件の捜査に関わっていくことで活躍の場も広がり、キャラクターも深まった。

「前作では、周りの大人たちがシリアスな中にあってポップで元気な感じで、事件に深く踏み込むよりも、時々ヒントを投げかけていって、(観客を)京極堂の世界に入りやすくするようなポジションでした。前作を終えた後、もし次があるならもうちょっと自立した女性で、知的で大人なジャーナリストという部分を出したいと思っていたので、やりがいがありました」

前作とは似て非なるものに仕上がった
前作とは似て非なるものに仕上がった

前作「姑獲鳥の夏」は、実相寺昭雄監督が彼独特の“実相寺マジック”を用いて、昭和20年代の妖しげな世界観を創出。本作では昨年11月に他界した実相寺監督から、原田眞人監督がメガホンを引き継ぎ、前作の世界観を踏襲しつつも一味違った雰囲気を醸し出している。

「脚本にはところどころに笑いが入っていて、それは前作にない部分だなと思いました。また、かなりスピード感があってテンポがよい部分も、前作とは違うところですね。監督からも“前作の敦子は忘れていい、また新しく作っていこう”と言われましたし、衣裳も全く違います。京極夏彦さんの中にあるキャラクターというのは軸にありますけど、それをもっと分かりやすく、見やすく解釈したのが今回の映画じゃないかなと思います。監督が違えばテイストは異なりますし、前回出来なかったことを今回やろうということもありますから、私としては前作とは全く違うジャンルだと思っています」

■上海での思いがけない出会い、“映画”に対する思い

本作では昭和20年代の東京を再現するため、上海ロケを敢行。中国のTVドラマ「美顔」(05)や台湾映画「幻遊伝」(06)への出演、「暗いところで待ち合わせ」(06)でチェン・ボーリンと共演するなど、アジア圏との関わりが深い田中にとって、中国での撮影はどうだった?

上海の撮影所では、憧れのアン・リーと対面!
上海の撮影所では、憧れのアン・リーと対面!

「上海では『幻遊伝』の撮影で行った場所もあって、懐かしかったのと同時に不思議な気分でした。あの時は現地のスタッフ、キャストと一緒に映画を作っていた自分が、今度は日本映画で日本のスタッフやキャストと一緒に、同じ場所に立っているんだ……って。あと、撮影所の隣のスタジオでは、私の大好きなアン・リー監督が新作を撮影していたんですよ! ワン・リーホンやトニー・レオンの出演シーンの撮影を見学することが出来ましたし、アン・リーやワン・リーホンともお話することができました。すごく嬉しかったです。憧れのスターが集結してる場所に、自分も来ているんだと」

このシリーズの魅力のひとつは、日本映画界を代表する豪華キャスト。それぞれが主演で1本映画が作れてしまう堤真一、阿部寛、椎名桔平らがレギュラーキャラクターを演じるが、その一角を担う田中もまた、いまや日本の映画界になくてはならない“映画女優”だ。フィルモグラフィーを振り返ってみると、「がんばっていきまっしょい」(98)でデビュー以降、映画を中心に活動する姿勢は変わっていない。その姿勢にこだわりがあるのだろうか?

「映画ってやっぱり、お客さんがお金を払い、時間をとって足を運んで“体験”してくれるところ。お客さんを楽しませたい、楽しませなきゃという責任は感じます。思いっきりいいものを届けなきゃいけないなと。それに映画というのは、私にとって一番安心して挑戦できる、根を張っていかれるところで、自分の根本的な土台になるところだとは感じてます」

※ヘアメイク=森本淳子(CON.)/スタイリスト=加藤暢子

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