劇場公開日 2019年9月6日

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「SF映画の金字塔の一つ」ブレードランナー ファイナル・カット CBさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5SF映画の金字塔の一つ

2019年5月9日
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鑑賞方法:映画館

1982年初版公開、2007年本編公開の作品を、舞台と同じ2019年に観た。キネカ大森ありがとう。

「近未来の街」というイメージを多くの人に固定させた映画かな。雨が降り続いていて、昼も夜もなく暗い空、それに抗うように能天気なCMが流れる高層ビルの壁面、地上は戦後の闇市のような混沌とした狭く入り組んだ通り。自分は好きではないけれど、こんな感じの近未来図が多くあるのはこの映画の影響では。
そうした地上へ降りてくる「飛行もできるパトカー」が度々描かれて未来感をつなぐ。監督の好きな日本が、街の背景や背景音にしばしば登場し、無国籍感というか、もう国境などない未来感。

映画全体は、4年しか寿命がないレプリカントの悲哀を中心に描かれ、奴隷としてレプリカントを使う人間に「それでよいのか?」という問いを投げかける。

ブレードランナー2048(本作から30年後)でその答を観よ、というわけだが、まずは一所懸命みんな考えましょう。

(以下、キネ旬から引用)
脚本改稿と製作時の混沌が産み落とした描写不備や矛盾点、デッカードの一人称語りやハッピーエンド風の終幕がスタジオ側の強制処理という裏話が明かされ、物語の解釈論議も高まった公開10周年に至り、リドリースコット監督の本来の意図に基づく再編集「最終版」(92)が発表される。(ディレクターズカット公開の先駆!)
公開当初の衝撃と10年間にわたる再評価の試みとによって、「ブレードランナー」は映画史上の伝説になったのである。

CB
とみいじょんさんのコメント
2025年2月24日

共感とコメントをありがとうございました。

世界観が皆を弾き付けてやまない映画ですね。
 この映画のレビューを書いた後、『メトロポリス(1927)』を鑑賞、解説を読むと、この映画が影響を受けているとありました。
 ただ、この映画の方が、ご指摘の「戦後の闇市」のデストピア感が、当時の環境汚染・公害と相まって、より全体的に悲壮感が漂っていて、日本的要素が一杯なのですぐ身近にも感じられて、忘れられない世界観となっている気がいたします。

 その舞台に、「4年しか寿命がないレプリカントの悲哀を中心に描かれ、奴隷としてレプリカントを使う人間に「それでよいのか?」という問いを投げかける。」という哲学。

 しかも、説明の足りない部分もあり、謎を解きたくなる要素が加わり、正しく「映画史上の伝説」となりましたね。
 何より、ロイを演じられたハウアー氏ありきであるとも思います。ロイの最期がああでなければ、これほどまでに心に残ることはなかったかなと。

 『ブレードランナー2049』で答えは見つかりましたか?
  私は、『2049』はなかったことにしたい派です。ゴズリング氏の演技にはしびれましたが。

 失礼致しました。

とみいじょん
NOBUさんのコメント
2023年3月12日

おはようございます。
 コメント有難うございます。
 初見時には、一部分からなかったのですが、3度観ると理解できますね。
 では。

NOBU
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