「時代に先駆けてこれを作ったリドリーに改めて敬意を表したくなった一品でした」ブレードランナー ファイナル・カット スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
時代に先駆けてこれを作ったリドリーに改めて敬意を表したくなった一品でした
映画好きになる前にビデオかテレビか何かで何となく見た(←失礼な)のは見たはずなのですが、ほとんど記憶には残っておらず・・・評論家や映画通が生涯1位にあげることも多い名作と言われても、何故かもう一度見たいと言う欲求に駆られることなく、今に至ってしまった訳なのですが、この程続編が公開されると言うことで、これを機会に再見してみました。
まあ再見とは言っても、ほぼ記憶には残って無かった訳で結局初見みたいなものなのですが、おぉ・・・物凄い既視感、って言うか普通逆なんですけど(苦笑)、この映画を崇拝している方からしたらこれ以降のこの手の映画はホント既視感たっぷりに映ってしまうのも妙に納得、サイバーパンク系SF映画の金字塔と言われるのもそれは当然ですよね、当時これを見た人は相当な衝撃だったでしょうねぇ、逆に斬新過ぎて受け入れられなかった方も多かったのでは?
とりあえず、サイバーパンク系SFを見てまず比較対象にこの映画を上げるのも、今回でようやく納得できました(遅・・・)
しかしこれ、舞台は近未来と言っても2019年って、ほとんど今に近い年代じゃないですか、現実は思いのほかスローペースで進化しているようで・・・。
それにしても、アジアンテイストな雑踏的世界観が独特で物凄く印象に残りますね、日本も入れたアジアンテイスト、こんな雰囲気の映画もこれ以降多くなったのかなぁ、日本人が見るとちょっと笑っちゃうような世界観ですけどね。
その他、様々なガジェット、そして独特の退廃的映像の世界、私レベルでは何と表現していいのかよく分かりませんが、何か凄い、これは確かに引き込まれる世界観でした。
レプリカントの悲哀っぷりもたまらない要素でしたね、前半はハードボイルド探偵物のような雰囲気に、正直もう一つ入り込めない部分もあったのですが、後半~終盤にかけては一気に引き込まれました、クライマックスのデッカードVSロイは、普通にアクション映画の様相を見せておいて、何ともグッとくる結末を用意していたではありませんか、全く無駄のないバトルシーンには思わず舌を巻きましたね。
画だけ見るとパンイチのルトガー・ハウアーにちょっと笑ってしまうのですが、レプリカントの悲哀がホントたまらなかったぁ、ダリル・ハンナが演じたレプリカントと言い、ビジュアル面もインパクト大でしたね。
たまらないと言えば、レイチェルとデッカードもですね。
レイチェルを演じたショーン・ヤングがとにかく美しかった!
変な髪形の時もそれはそれでインパクトありましたが、髪を下した姿がたまらなかった、ある意味この美しさが彼女のソレに説得力を持たせたかも、デッカードとの行方も余韻があって良かったなぁ。
まあ思いのほか地味で暗くて、好きかと言われると正直そこまで好みの映画ではないんですけど、時代に先駆けて一つのジャンルを確立したリドリー・スコットに改めて敬意を表したくなった映画ではありました、35年ぶりの続編も楽しみです。