「安心、安全なディズニー配給作品。」ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
安心、安全なディズニー配給作品。
リンカーン暗殺事件。トレジャー・ハンターベン・ゲイツの先祖がその黒幕であるとの汚名が着せられる。先祖の名誉を守るべく、ベン・ゲイツが、残された暗殺者の文書(劇中&タイトルでは”ジョン・ウィルクス・ブースの日記”と言っているけど、違うと思う)のナゾを解くために、パリ、ロンドン、そしてジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、セオドア・ルーズベルトおよびエイブラハム・リンカーンの巨大な彫刻が彫られているラシュモア山へと赴く。
ジェットコースタームービーの要素盛りだくさんで、物語の前半は、その通りにあっという間に、パリに行き、ロンドンに行きます。ロンドンではその上、バッキンガム宮殿の女王の執務室に忍び込むと言う離れ業まで。ジェットコースターの如きスピードで進むのは、その辺まで。アメリカに戻ってからは、少しスピードは落ちます。その辺りが若干アンバランス。
物語のクライマックスで、今回の敵(?)のウィルキンソン(エド・ハリス)と否応無しに組んで、ナゾに取り組むことになるのですが、ちょっと油断なら無い雰囲気をかもしながらも、あっさりと協力しながら進むのはディズニー的と言えば、言い過ぎでしょうか? 物語的には、もっとはっきりと敵に徹しても良かったような気もします。
劇中、ウィルキンソンが先祖から受け継いだ、ビクトリア女王に送られたと言う設定の信書をベンの母エミリー・アップルトン教授(ヘレン・ミレン)にチラ見せし、パッと奪い返すシーンがあるんですが、これは『クィーン』で女王を演じたヘレン・ミレンを使った、皮肉のシーンと見るのは穿った見方でしょうか?
前作もそうでしたが、今回も、荒唐無稽と言うと言い過ぎかもしれませんが、歴史と創作を絡み合わせた、面白い娯楽作品になっています。ディズニーなので、家族で見ても安心だと思います。