アメリカン・ギャングスターのレビュー・感想・評価
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段々と面白くなる
前半は思った程面白みが無く、「どーしたんだ、リドリー・スコット?」と思っていたら、マフィアの大物の屋敷で半ば見下され、1970年代当時のベトナム戦争を背景に、やがて軍を味方に率いれのし上がって行く。この男の姿を通し、泥沼に嵌って行くアメリカ国内の無力感を浮き上がらせて段々面白くなって来る。
「マフィアが100年かかって出来無かったのに、黒人に出来る訳ない。」と言わせ、当時の差別意識が殊更強かった事も伺えます。
「目立つな!」と弟達に言い聞かせていたのに、自らの小さな過ちからその存在が捜査線上に浮き上がってしまい、自分自身に怒りながら毛○のコートを焼く辺りから映画全体が、うねりを持って走りだす。そこまで待てない人には若干苦しい部分もありますね。
街中や、パーティー中でいきなり拳銃をぶっ放したりと、慎重なのに切れやすい性格を演じるデンゼル・ワシントンのキャラクターにはそれなりの説得力があります。対するラッセル・クロウは時には卑屈になる面もあるのに、芯の部分では絶対に曲げない性格。前半と後半で性格がやや変わっている感じになっているのは多少違和感を感じました。
リドリー・スコットの演出は、何となくシドニー・ルメットの『Q&A』辺りを意識している様に感じましたが果たしてどうなんでしょう?
どうでも良いのですが、最後のワンカットは要らないなぁ。
(2008年2月12日 日劇1)
ハイブリット感
麻薬王の栄枯盛衰と警察内部の汚職事件と戦う刑事という映画二本作れちゃいそうな二つのテーマを両方含んでいるというかなりボリューミーな映画。 だから二時間半越えというやや長めの上映時間もむしろかなりタイトにまとめた方と言えるかもしれないし、実際長いと感じることは一切なかった。下っ端から麻薬王までのし上がって行くストーリーはゴッドファーザーっぽいけど、ちょっと軽率でお上りさん気味な弟の重たくなりすぎないテンポ感はグッドフェローズっぽくもあったりして、まるで両映画のハイブリットみたいで面白かった。そして結果としてこの両傑作との比較に耐えうるだけの上質な映画に仕上がっていると思う。主役二人の演技は、デンゼル・ワシントンの紳士的でありながら冷徹さも併せ持ってるという貫禄がビンビンにでてるし、ラッセル・クロウの男臭い仕事命っぷりもよかった。ただ強いて言えばこの主役二人が、顔を合わせないまでも互いを強く意識しあうきっかけになるようなシーンが映画の中盤の時点で一つあった方がラストの二人の関係によりグッと来たような気がする。 まぁ実話ベースの話だからその辺は事実に忠実に再現してるのかもしれないけど。
ただこの主役二人のモデルになった元麻薬王と刑事の二人は今ではめちゃくちゃ仲が良くて、この映画のスーパーバイザーも二人で仲良くやってるっていうから面白い!
正義vs悪
この、二人 最高…
カッコいいに 尽きる、
Dワシントンは、悪役が似合う、
悪役だけど、
なぜか、良いヒトみたいな 役が、
デンジャラス ランも そうだった、
前半付近に、ノーマンリーダスが 出ててびっくり❗️
渋い演技に見入ってしまえ!
予想通りの渋い演技は、さすがに素晴らしい。
最後が少しダラダラと感じられたが、それ以外は見入ってしまった。
特別に派手な演出も少なく、どちらかというと退屈な話だと思うのだが、それを飽きさせないのは役者の演技力なのだろうか?
とにかく、この二人の男に魅せられることは間違いない。
でも、最後はもう少し簡潔にしてほしかった。
ラッセル・クロウが正義の男!?
ラッセル・クロウが貫禄ありすぎて、どうも正義にこだわる警察官という感じがしなかった。しかしそれ故 彼に同情し観賞後正義にときめくということもなかったので、結果的によかったかもしれない。
まあやはり人を悪に変えてしまうものは、いつになっても金ですね。
悪役だが一流実業家の顔をもつ主人公
総合:80点
ストーリー:85
キャスト:80
演出:80
ビジュアル:75
音楽:65
「トレーニング デイ」で見た目も行動もかなりの悪役を演じていたデンゼル・ワシントンであるが、今回は悪役と言いつつもいつも通りの颯爽とした役回り。彼のやったことは、自ら危険を冒して未知の地に乗り込んで複雑な流通経路を省いた製造元直接仕入れ体制を確立して製品原価を下げ、高品質の製品にブランドをつけて販売し、自分のブランド価値を破壊するものを除去する。より良い物をより安く提供し、顧客と自分との両者の間に相互勝利の関係を築き繁栄する。そして仕事を離れれば良き家庭人。扱っている物が麻薬であるというだけで、やっていることは一流実業家そのものである。彼のやったことと、のし上がっていけた理由がとてもわかりやすくて、犯罪者といえども彼の行動と性格と能力には思わず共感してしまう人物であった。
ラッセル・クロウの清廉な刑事役もいい。腐敗が当たり前となっている警察内において、その信念を貫き通すことは困難なこと。ワシントンと対決し調査を続け彼を逮捕することも面白かったのだ。だがそれのみならず、その後に彼の本当の目的とそれに対するしっかりとした実績が出てきたのもすっきりとした。ワシントンほどには目立たない存在ではあったが、最後のこの身内の腐敗一掃によって拍手喝采で、私の中ではここで彼の役回りの評価が上がった。
二時間半を超える大作らしいが、テレビ版で見るとわずか2時間17分、しかもコマーシャルつき。相当に切られた場面があるようで、これでは作品を堪能したとは言い難い。いずれ機会があればレンタルか何かでノーカット版を見てみようと思う。
演出良し、演技良し、ストーリー良し、もう最高!
リドリー・スコット×デンゼル・ワシントン×ラッセル・クロウ
もうこの面子だけで大興奮!
ジャンルが骨太な犯罪ドラマ(しかも実話)なのだから、さらに大興奮!
デンゼル・ワシントン演じる麻薬王とラッセル・クロウ演じるFBI捜査官の攻防劇。
デンゼル・ワシントンが、麻薬王でありながら良きファミリーマンである一方、ヒヤリとさせる一面も見せ、メリハリのついた演技はさすが。
ラッセル・クロウも、決してクリーンではないが正義感溢れる熱血FBI捜査官を熱演。
この2人、最後の最後まで顔合わせシーンは無いハズなのに、ずっとがっぷり四に組んで顔合わせしている感覚を覚えた。
リドリー・スコットの、臨場感たっぷり、2時間半の長さを感じさせないグイグイ魅せる演出は、巨匠の名に恥じない。
本当に素晴らしい監督だ。
なのにアカデミー賞では無視された。
エエッ何でーーーッ!?
前年に「ディパーテッド」があったからかなぁ…。「ディパーテッド」より好きなんだけどなぁ…。
アカデミー賞では残念であっても、本作が面白い映画である事には異論は無いハズ!
力強い演出、名優2人の演技合戦、興奮のストーリー…何て贅沢な映画!
人間の善悪とは
映像や音楽がとてもスタイリッシュでスリリング。2時間半という長さを全く感じさせなかった。
悪人であるはずのギャングが一方では家族思いで貧しい人々を救ったりもし、また逆に正義であるはずの警察が汚職をしているという、人間の善悪の曖昧さ・矛盾を描き出して見せていた。クリーンなイメージのデンゼル・ワシントンがスラムの麻薬王役、やんちゃなイメージのラッセル・クロウが正義感の強い刑事役というギャップもまたそれを効果的に見せていたと思う。
フランクが麻薬王となるに至る過去の生い立ちの部分を省略しているのと、彼の兄弟や従兄弟たちの顔の区別がつきにくいのが難点。
丁々発止の駆け引きに集中
ホントかどうかは知らないが、ベトナムとの軍事的な輸送手段を巧みに利用したヘロインの密輸が頭脳的。その頭脳を持つインテリジェンスな黒人麻薬王にデンゼル・ワシントンがピッタリ。また、彼の持つ優しさゆえに捜査官に尻尾を掴まれる役どころも合っている。それ以上に役にハマっているのが、捜査官を演じたラッセル・クロウ。「フレンチ・コネクション」のポパイ刑事を髣髴させる捜査への執念深さを淡々と演じる。だが、さすがにこっちは2000年代の作品、リドリー・スコットの演出は、「フレンチ・コネクション」と同じ年代を再現しつつも、どこかアカ抜けている。「フレンチ・コネクション」のような派手なカー・チェイスもなく、かといってマフィア物の大御所「ゴッド・ファーザー」のように重くも暗くもない。主演ふたりによる丁々発止の駆け引きに集中できる。
むしろ、この作品、このふたりの演技達者が災いしたか、緊張感より安心感を持って観てしまえるところが難といえるかも。
人は認め合うことでしか救われない
成功の頂点で去るのは逃げではない」
終盤、サラッと過ぎていったセリフが
なぜだか、一番心に残った・・・。
「実話」だとの情報だけを仕入れ
劇場を訪れた。2時間30分を超える
大作で、集中力が持つか心配していたが、
中盤から終盤にかけては、スクリーンに
釘付けになってしまった。逆に、前半は
もう少しカットしてもよかった気がした。
「正義、正直さ」
麻薬密売人のモノ、
あまい蜜をかすめる刑事のモノ、
そして、麻薬密売人を追い詰める刑事のモノ。
各々に、己の価値観を持ち、己を正当化する。
それは、まるで掛け違えたボタンのように。
ラスト、
「お前がイタリアマフィアを認めないように、
俺もニューヨーク警察を認めない」
ボタンは、寸分なくはまり、
各々の「正義、正直さ」も合わさりあう。
クライマックスでは、
前半に蒔いていたネタが、
なるほどね~、との形で、結実します。
まるで、実話とは思えないほど、見事に。
「正義、正直さ」
時に、軽んじられるフレーズについて
考えさせられると同時に、心洗われた2時間40分でした。
銃殺、ヌードシーンの関係で、
R15になっているのでしょうが、
そんなに惨くはありません。いい作品をありがとうございました(笑顔)
シビれた!
これは大好き!やっぱり、リドリー・スコット作品のテイストは好きだなあ。
独自の手法でスラム街から成り上がったアメリカン・ギャングスターと、
麻薬の密売を執念的に追っていく刑事、という2人の「男」の物語です。
ギャングスターとしてのデンゼルの貫禄、刑事としてのラッセルの執念、
名優2人の重厚な演技が見応えがあり、とにかく渋カッコイイんです!
主人公2人が、クライマックスまで対峙しない構成も見事だと思いましたし、
なんというか…こういう映画って日本では絶対に作れないよな、と。
時間は長めですが、最初から最後まで男心をくすぐられる映画でした!!
(レンタル期間の都合で、監督のコメンタリーが聴けなかったのが残念)
とにかく、ギャング映画好きには堪らないと作品だと思います!
ハリウッド映画や外国映画では、CGやアクション満載の大作よりも、
日本人には絶対に作れない、この映画のようなテイストの作品が好きです^^
暗い男の世界!
あっ!という間でした。面白かった~
昔から裏社会系の映画は好きだったのもあるけど、楽しめました。
デンゼル・ワシントンって私の中で「いい人」的ポジションだから、麻薬王って設定が意外でした。
ラッセル・クロウは、反骨刑事ってのは、うんうんって感じ。
アメリカンマフィアストーリーとなると、やはり私の中でピカイチは「ゴッドファーザー」シリーズ。マフィアとは関係ない世界にいたアル・パチーノがマフィアの世界に入ってからの表情の変わっていく様は、心底すごいと思いました。
本作では、それをデンゼルが演じている訳だけど、少~し物足りなかったかなぁ。清潔感がありすぎて…
「ファミリー」を抱えるマフィアの黒幕には…ん~…
それとラッセル演じるリッチーや、リッチーの同僚とかは1970年代の雰囲気、プンプンしてるんだけど、デンゼルはスーツが多いせいか?彼だけ現代みたいに見えちゃったよ。
ま、そんな点を差し置いても楽しめましたがね。
面白い!としか言いようが・・・
会社の先輩に「アメリカでアホほど興行成績伸ばしてる映画がある」と聞いて観に行きました。
最初は正直あんまり期待してませんでしたね。
内容も多少知ってましたし、金曜か土曜に途中でCM挟みながら見てもどって事ないんやろなぐらいでした。
ただ面白かったです。
特筆して「このシーンが良かった」「この俳優さんがうまかった」なんてのはなかったんですが、作品としてびしっと決まってましたね。
万人の人に受け入れられるような映画ってこういうものなんでしょうね。
リドリー・スコットも70歳ですと。
監督は70歳(!!)になるリドリー・スコット。前作は"A Good Year"という映画を撮りましたが、コケました。見ておりません。エイリアンやブレードランナーの監督でもあります。最近はとんとSFを撮らなくなりましたね。
今回は社会派ギャング映画です。主演は黒人マフィアのボスを演じるデンゼル・ワシントンと刑事のラッセル・クロウ。監督が70歳とは思えぬバイオレントな描写とダイナミックな撮影で惹きつけられる娯楽大作です。実在の麻薬王がモデルらしいです。興行的にも批評家の評価も極めて良好で、初登場は1位を獲得しています。そういう意味では昨年のデパーテッドに似ているか?確かに傑作には違いありませんが、オスカーは・・・・。どうなんでしょう。私的には微妙です。ギャング映画好きは必見。
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