「丁々発止の駆け引きに集中」アメリカン・ギャングスター マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
丁々発止の駆け引きに集中
ホントかどうかは知らないが、ベトナムとの軍事的な輸送手段を巧みに利用したヘロインの密輸が頭脳的。その頭脳を持つインテリジェンスな黒人麻薬王にデンゼル・ワシントンがピッタリ。また、彼の持つ優しさゆえに捜査官に尻尾を掴まれる役どころも合っている。それ以上に役にハマっているのが、捜査官を演じたラッセル・クロウ。「フレンチ・コネクション」のポパイ刑事を髣髴させる捜査への執念深さを淡々と演じる。だが、さすがにこっちは2000年代の作品、リドリー・スコットの演出は、「フレンチ・コネクション」と同じ年代を再現しつつも、どこかアカ抜けている。「フレンチ・コネクション」のような派手なカー・チェイスもなく、かといってマフィア物の大御所「ゴッド・ファーザー」のように重くも暗くもない。主演ふたりによる丁々発止の駆け引きに集中できる。
むしろ、この作品、このふたりの演技達者が災いしたか、緊張感より安心感を持って観てしまえるところが難といえるかも。
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