「【祖国を忘れない者】と【祖国を捨てた者】」僕の大事なコレクション 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
【祖国を忘れない者】と【祖国を捨てた者】
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何でも収集する男がイライジャ・ウッド。
その彼が自分のルーツに纏わる写真と共にウクライナへ、案内するのがアメリカ被れの爺さんと孫に有名人から取った名前の犬一匹。かくして珍道中が始まり、そして…。
音楽がウクライナののんびりとした風景にマッチしていて楽しい。どことなくジプシー調なのが後半に効いてくるし、イライジャ・ウッドの偏狭人振りがまた良い。
しかしながら映画はそんな‘のほほん’とした空気を切り裂くかの如く後半を迎えて段々と本質に迫って行く。
【祖国を忘れない者】と【祖国を捨てた者】
この違いは何処にあるのか。
のんびりとしながらもまだ戦争の爪跡が残る田園風景を見ながら3人と一匹は《オデッサ》から《約束の土地》までやって来る。
「何故集めるんだ?」と聞かれ、彼は「忘れてしまうから!」と答える。
遠く離れていながら楽園を見つけられずに死んでいった祖先の人達の無念な思いが引き合わせた奇跡。
しかしそれは常に隣同士に居り、【忘れた者】と【忘れない者】の人生は‘表裏一体’なのだと…。
(2006年5月1日アミューズ・シネCQNスクリーン2)
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