「「恋は、遠い日の花火ではない」サントリー・オールドのコピーだ。」愛されるために、ここにいる きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
「恋は、遠い日の花火ではない」サントリー・オールドのコピーだ。
今週わが職場で面白いことがあった。
男ばかりの現場にアルバイトの娘さんが闖入したのである。
野郎どもの声は1オクターブ高くうわずり、作業の動きもまるで高校生のようだ(笑)
私はそんな彼らを観察していた訳だ。
新しい女はカンフル剤なのだ。
映画では、女っ気のない父子三代が登場。本心を表に出せない野武士のような家長の下で、間に挟まれた二代目のあがきが真に迫ってくる。
強い父親の老化~死と、孫である弱い我が子と、その断絶の狭間で、自分が何者なのかと問う二代目の苦しみは、恐らくこの年代の男たちにとっては身につまされる事態だろう。
ファンファン。吹石一恵や風吹ジュンにどこか似て、目が離せない。
「浮気」は、
なんのためにあって、何故そんな行動に人は出るのだろうと訝っていた私だが、人が中弛みの人生で息を吹き返すための浮いた心というものは男女共に有ってもよいものなのかもしれない。
しっぽりと、破滅ぎりぎりのところで今宵だけの喜びにひたる。
-ラストの二人の長いダンスシーンが良かったなぁ。
(そういえば、日本にはペアを組んで抱きあって踊るダンスはないような・・・。
盆踊り、阿波踊り、よさこいソーランなどなど、群衆踊りから少人数のお座敷や歌舞伎、能まで男女は離れて舞うもんだな。
男女七歳にして席を同じうせず、か)。
もうひとつ最後に興味深いエピソードを。
ある老化ホームで、「お年寄りたち元気ないねー」と職員会議。で、出た突飛な提案は「混浴にしてみたら?」。
結果は、言わずもがな。大成功だったそうである。
"カンフル"、
そう。痛感する。今の私にこそ必要。
ご同輩、如何なされるか?
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タンゴ + パルファム
⇒アル・パチーノの「インセント・オブ・ウーマン 夢の香り」と双璧。
思わぬ掘り出し物の映画でした。