綴り字のシーズンのレビュー・感想・評価
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深い。なぜ、イライザはわざと間違えたのか
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この映画のテーマは、「壊れたものを元に戻す」です。
イライザのスペルコンテストの才能が出てきたことで、彼女の家族は崩壊したかのように見えます。彼女は家族を元に戻すことをしたかった。
彼女の母親もまた、両親の死を、壊れたガラスの破片を集めることで、元に戻そうとしていました。
万華鏡がキーワードで、万華鏡の世界では、分断され壊れた破片の集まりのように見えますが、万華鏡を外すとまた1つの世界に戻ります。それと同じように、破片を集めれば、世界をもとにできると思ったのでしょう。
スペルコンテストの前日、カメラを気にして、優勝しなくてはと意気込んでいたイライザがなぜ当日優勝を放棄したのか。
それはおそらく、彼女の父親が言っていたシェファの領域に彼女が幼ないながらも到達したからです。
そこは言葉や綴りを超えた世界です。
世界と一つになるいわば、悟りの世界。
それによって彼女は、壊れた家族は元に戻せると確信し、スペルコンテストはもはや意味がなくなったのです。
しかし、表面的な優勝に気を取られていた父親は、なぜ彼女が優勝を手放したのか理解できない。
しかし、母親は、壊れたものを修復しようとしている彼女の気持ちに気づいています。
展開が遅いように見えますが、
全てのセリフに意味があり、
神をもとめ、神と一体化する方法を言葉を使って表現している。
そして、「壊れたものを元に戻す」テーマがシナリオの中に染み込ませており、無駄なシーンは一つもなく素晴らしい内容だと思います。
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