西部に賭ける女

劇場公開日:1960年6月4日

解説

ソフィア・ローレン始めての西部劇。ルイス・ラムーアの原作を「駅馬車(1939)」で知られる故ダドリー・ニコルズ(「胸に輝く星」)とウォルター・バーンスタインが脚色した。監督は「野性の息吹き」のジョージ・キューカー、撮影は「くたばれヤンキース」のハロルド・リップステイン。出演はローレンのほか、「ガンヒルの決斗」のアンソニー・クイン、「2人の瞳」以来ひさびさのマーガレット・オブライエンのほか、スティーブ・フォレスト、アイリーン・ヘッカート、エドモンド・ロウ。製作カルロ・ポンティおよびマルチェロ・ジローシ。

1960年製作/アメリカ
原題または英題:Heller in Pink Tights
配給:パラマウント
劇場公開日:1960年6月4日

あらすじ

1880年代のお話。シャイエンの町は西部の中心地だった。ヒーリ劇団という東部からきた旅まわりの一座が着いた。座長はトム・ヒーリ(アンソニー・クイン)で、欧州帰りの女優アンジェラ(ソフィア・ローレン)、若い女優デラ(マーガレット・オブライエン)、その母のローナや、“シェイクスピア俳優”と自称するマンフレッドが幹部である。劇場主のサムは一座を快く迎えた。アンジェラにひかれたからだ。一座は東部で失敗し、借金を背負っていた。出しものはオッフェンバッハのオペッレッタ「トロイのヘレン」だったが、サムの土地にあわぬという助言で、「マゼッパ」という古い芝居をすることにした。アンジェラが男装し、馬に乗る荒い芝居だ。大当たりだった。が、債権者が迫ってき、差押えしようとしたので、アンジェラは売り上げでポーカーをした。相手が悪かった。土地の暴れ者マドリー(スティーヴ・フォレスト)では勝目がなかった。一座は無一文で町を逃げ出した。キャンプをアパッチ族が襲ってきた。迫ってきたマドリーの力と助言で、一行は逃れることができ、ボナンザの町へ向かった。途中、マドリーを狙った殺し屋がトムを負傷させた。インディアンの交易場で、トムはデラに看病されたが、アンジェラとマドリーの仲だけが気になった。ボナンザに、デ・レオンというボスがいた。マドリーに5000ドル借金があったが、返そうとせず、子分を多勢警戒させていた。アンジェラは金をマドリーに届けず、ボナンザの町の中心にある酒場をその金で買った。そしてトム達一行の来る前にすっかり改築して、名前をグレイト・ヒーリーズ・テアトルとつけた。トムはアンジェラがマドリーと逃げたと思って町に入って来たが、アンジェラが自分の名前のついた劇場の前で待っているのを見てもう決して彼女と離れないで暮らそうと心に誓った。初日の夜、劇場は満員であった。アンジェラこそマドリーの情婦と思いこんでいるデ・レオンは、彼女のそばに2人の殺し屋を常につけていた。然かし、マドリーは巧みに彼等の裏をかいて劇場の控室に忍び入り、そして彼女を連れて行こうとするが、アンジェラとトムが愛し合っていると知り、返金を迫るのを笑ってやめた。デ・レオン一味が楽屋を取りまいた。が、アンジェラは身代りにマドリーを馬で舞台に出し、劇場の外へ走り去らせた。――興行は成功した。当分はこの町におちつけるらしい。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0 製作はカルロ・ポンティ

2026年1月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ソフィア・ローレンとアンソニー・クイン共演の西部劇で、監督はジョージ・キューカー。 西部を巡業する劇団はお金がなくて、夜逃げの連続で、遂には先住民にも追われてしまう。 ソフィア・ローレンの美しさを堪能する映画なので、あとは・・・。

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いやよセブン

3.5 ソフィア・ローレンに魅了される ✨

2025年3月5日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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こころ

3.0 旅芸人一座の看板女優を演じる若きソフィア・ローレンの魅力

2025年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

笑える

楽しい

単純

イタリア映画を代表するソフィア・ローレンは、出世作「島の女」(1957年)の頃からハリウッド映画にも出演する経歴を持つ国際的スター女優として人気を誇っていました。それから3年後の25歳の時、ヴィットリオ・デ・シーカ監督作品「ふたりの女」の演技でカンヌ映画祭とアカデミー賞の二冠始め多くの名誉に輝いた1960年の最初に公開された今作は、アメリカ映画界の女優演出のエキスパートと言える名匠ジョージ・キューカーが監督を務めています。デビュー当時から、その豊満な肉体と艶めかしい曲線美に注目が集まりながら、演技自体にもスケール感と表現力の豊かさを兼ね備えていました。そして、この広範囲な活躍が続いた理由には、後に私生活のパートナーとなるイタリア映画界の大物プロデューサー、カルロ・ポンティ(1912年~2007年、「道」「鉄道員」「ふたりの女」「軽蔑」「ドクトル・ジバゴ」「欲望」「ひまわり」)の存在が大きい。製作者ポンティと監督キューカーが女優ソフィア・ローレンに賭けた映画としての見所が鑑賞のポイントになる作品です。初見はソフィア・ローレンのファンだった高校2年生の時のテレビ鑑賞でした。見直してみて記憶にあるシーンが無かったものの、映画日記には長短両方を簡単に記録していて、今回の印象とあまり変わらないものでした。

若さ溢れるソフィア・ローレンの演技は、まだ粗削りながら女優としての資質を感じさせます。その魅力は特に正装した時の美しさにあり、キューカー監督の演出によって際立っています。ネブラスカから逃げてワイオミングのシャイアンの劇場に姿を現すカットは、足元からゆっくりティルトアップして濃い紫色のドレスをまとい、顔の下半分にフェイスベールを掛けて小さく見せる可愛らしさ。後半ではボナンザの有力者でギャングの親玉の裏の顔も持つデ・レオンに対峙するために装う赤い上着姿は、そのウエストの細さを強調して人形のような可愛さを交渉に活かす戦術の賢さがあります。相手役アンソニー・クインも男のプライドと繊細さを併せ持つ旅芸人座長役を無難に好演して、息の合った演技を見せます。この俳優兼演出家のトム・ヒーリーと看板女優アンジェラ・ロッシーニの間に入って、殺し屋クリント・メイブリーが恋の鞘当てを演じる主要登場人物3人のストーリーそのものは、紆余曲折あって楽しめます。まず劇団得意のレパートリーの史劇「トロイのヘレン」が不倫ものと知って上映禁止にする劇場主サムの言い訳が面白い。市長が奥方の浮気相手を射殺しても誰も咎めなかったから、不貞では笑えないと。それに対して、ヒーリーが殺人が良くて不貞が駄目なのかと驚くのも可笑しい。替わって「マゼッパ」を上映して、全身タイツ姿のアンジェラが馬の背に括られるクライマックスの迫力で好評を得る展開が、映画クライマックスの伏線になるところは予想が付くも定石でしょう。採掘利権を奪うレオンの手下で殺人を犯したメイブリーの報奨金5000ドルの受け取りにアンジェラが行き、その資金で採掘組合ホールをヒーリー劇場に改装する展開がいい。そこで惜しいのは、中間部のキューカー監督の演出の緊迫感の弱さでした。アンジェラが借金返済にポーカーで全財産を掛け、それでも足りず自分の体まで差し出すシーンの緊張感があっさりしています。賭けに負け、2台の馬車で逃げる途中でアパッチ族に襲われるシーンも西部劇としては凡庸な演出でした。劇団の宝である馬車が燃やされるシーンにもっと悲運の想いがあっていいし、雪山を越えてボナンザの町に辿り着くシークエンスも、映像の迫力の点で不足があります。

配役ではメイブリーを演じたスティーブ・フォレストが主演の2人と比べて弱いのは仕方ないですが、マカロニ・ウェスタンのフランコ・ネロの雰囲気に近い印象を持ちました。西部劇に合ったキャラクターを持っています。実兄のダナ・アンドリュースとはあまり似ていません。劇団員のデラ・サウスビーのマーガレット・オブライエンとローナ・ハサウェイ夫人のアイリーン・ヘッカートの親子役は息がピッタリの好演でした。「若草物語」の子役で有名なオブライエンは22歳になって、ヒーリーを誘惑する大人の演技に挑戦と言うところでしょうか。ヘッカートは如何にもベテランのそつが無い演技で、他に「傷だらけの栄光」「バス停留所」「黒い種子」「下り階段をのぼれ」などに出演しています。悪役として印象に残るデ・レオンのラモン・ノヴァロは、メキシコ出身のサイレント時代の大スターでした。ルドルフ・ヴァレンティノ亡きあとのセックス・シンボルの美男スターということです。この時代の美男スターは、日本の早川雪州やイタリアのヴァレンティノのように、アメリカ人から見てエキゾチックな雰囲気の二枚目が持て栄やされていたようです。26歳のノヴァロが主演したフレッド・二ブロ監督の「ベン・ハー」(1925年)を今日VODで観られるのはありがたいことです。同じくサイレント時代のスター、エドマンド・ロウがマンフレッド・ドク・モンタギュー役でいい味を出しています。この時69歳の最晩年の出演作のようです。代表作の一本、ラオール・ウォルシュ監督の「栄光」(1926年)にラモン・ノヴァロの従兄弟ドリス・デル・リオと共演しています。見逃して惜しい映画のひとつです。

西部劇から多岐にわたるジャンルで代表作を残した大家で人気作家のルイス・ラムーアの原作を、ウォルター・バーンスタインと言う人と共同脚色したダドリー・ニコルズは、ジョン・フォード監督の「男の敵」「駅馬車」で有名ですが、この映画公開の2ヵ月前に亡くなっていて、これが遺作のようです。このストーリーの面白さを、コメディとして楽しめる映画にしたかったのか、活劇としての西部劇にしたかったのか、そのコンセプトが曖昧でした。ソフィア・ローレンの若々しく個性的な美しさの魅力を充分に感じられるキューカー監督の演出の良さを認めつつ、作品の出来としては平均に収まった評価に止まります。このローレンを更に美しくみせた衣装は、イーディス・ヘッドのものです。「女相続人」「イブの総て」「陽のあたる場所」「サムソンとデリラ」「ローマの休日」「麗しのサブリナ」「The Facts of Life」そして「スティング」でアカデミー賞の衣装デザイン賞を受賞した偉人でした。

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Gustav

3.5 一気に華やぐソフィアローレン

2025年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ソフィアローレン扮する手品師アンジェラロッシーニが町で大きな買い物をしたため所属するトムヒーリー劇団は逃げ出して西部へ向かった。

ソフィアローレンはやはり目を見張る美しさがあるね。登場シーンでは一気に華やぐな。そりゃあ団長のトムにしてみればアンジェラに言い寄ってフラれたらたまらんだろうね。生煮えだ。それにしても劇中の馬の芸は大したものだったね。

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重