拳銃魔のレビュー・感想・評価

善人が悪女にたぶらかされて転落していくさまを、クールに演出しています。
ボニーとクライドみたようなお話しでもありますが、価値観の一致しない二人が、腐れ縁的にどこまでも離れずに堕ちてゆく刹那感が見所でしょう。

90分ほどでぎゅっと見せる。／バートは幼い頃から拳銃の才があり、本人もそれが好き。子どもの頃から拳銃のためなら盗みも辞さない…ところが、盗みのためなら発砲も辞さないアニーと出会って、運命が変な方向に転がりだした。／バートが人に銃口を向けて発砲したのは、アニーとの出会いのあの時だけではないか。だからこそアニーはバートにとって唯一無二の存在となった。／アニーの悪女ぶりが強烈だが、バートはバートで、久々に再会した人がくれたビールを「ぬるくてまずい」と一口で放置したり、スケールの小さい嫌な奴ではある。