劇場公開日 2019年3月17日

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「不朽の名作を4K版で見る至福のひと時。これほどの贅沢はあるだろうか。」山猫 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0不朽の名作を4K版で見る至福のひと時。これほどの贅沢はあるだろうか。

2019年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

不朽の名作。にもかかわらず、レンタル屋は取り扱いがなく、ソフト購入も高すぎて手が出ない。それゆえ、このたび4K版がかかる機会を逃すわけにはいかなかった。結果、あまりの美しさに本作の真の凄みを見せつけられた思いがした。バート・ランカスターが立ち上がる時、その長身から放たれる波動が、肌をも震わすかのような感動となって沁み渡っていく。

貴族文化を肌身で知るヴィスコンティゆえ、全編の「本物感」は圧倒的だ。一方、本作をきちんと理解しようと思えば、近代イタリア史を頭に入れて臨まねばなるまい。これは時代の荒波に揉まれ、古い体制や価値観が刷新される激動期の物語。取り残される側の貴族、それも一家の長としてのランカスターが辿る心の移ろいを、全体の3分の1の長さを誇る舞踏会シーンに投影させたヴィスコンティの芸術性は素晴らしい。昔は良さが分からなかった筆者も、20年を経て、すっかり心に沁みてしょうがなかった。

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牛津厚信