劇場公開日 2020年2月25日

「咳をする度にカエルを吐き出すばあさん。そのカエルは何に使うんでしょ・・・」ロバと王女 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0咳をする度にカエルを吐き出すばあさん。そのカエルは何に使うんでしょ・・・

2021年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 『シェルブールの雨傘』ほどではないけど、ミュージカル部分のノリがいい。フランスを代表する映画音楽の巨匠ミシェル・ルグラン。役者が歌い出すのも唐突なので気持ちいいのです。まだ20代の美しきカトリーヌ・ドヌーヴや茶目っ気たっぷりのジャック・ペランの爽やかな雰囲気もよかったし、とにかくポップな童話の世界なのです。

 ディズニーが飛びつきそうな題材なのですが、おフランスでは色使いもおしゃれな感じです。どことなくティム・バートンが好みそうな原色中心の色使いだったり、モンティパイソン風のポップ感だったり、ジャック・タチ風のコミカルな描写があったり・・・フィルム・ノワールの時代が終り、対極を為すほどのカラフルさでシュールな世界を映画いてます。そして、ドヌーヴの衣装も派手過ぎて目がくらくらしてしまいます。

 ストーリーは、うん○の代りに宝石を排泄するロバのおかげで裕福になった王様。王妃が亡くなり、再婚せねばならなくなったが、王妃の遺言で「わたしより美しい女性とならOKよ」などと言われたのですから、さぁ大変。王妃よりも美しい女性なんて・・・実の娘・王女しかいない!そこで王は娘に結婚を申し込むのですが、王に無理難題を押しつける王女。しかし、その難題を楽々クリアーしていくので困り果てた王女なのでした。そしてロバの皮を被って突如王女は姿を消したのです・・・

 この王国は王族以外はみんな青。馬だって青だし、家来はみんな青色。王女が旅して行き着いた王国は赤。みんな赤色です・・・笑いたいのに笑うタイミングを逸してしまいました。終盤はなぜか「シンデレラ」のような展開なのですが、アンニュイな“間”がいいんです。女の子向けの映画だとは思いますが、機会があればご覧ください、シルブプレ。

kossy