大いなる休暇

劇場公開日:

解説

カナダの小さな島を舞台に、青年医師と島の人々のユーモラスな交流を描いたハートフル・コメディ。監督は、本作が初の長編映画となるジャン=フランソワ・プリオ。過去にはCM業界で多数の作品を手がけ、カンヌ広告映画祭でシルバーベアー賞を受賞したことがある。

2003年製作/110分/カナダ
原題または英題:La Grande seduction
配給:ハピネット・ピクチャーズ、クレストインターナショナル
劇場公開日:2005年6月4日

ストーリー

カナダ・ケベック州の小さな島、サントマリ・ラモデルヌ島はかつて漁業に栄え、活気に溢れていた。しかしその繁栄も虚しく、いまやほとんどの島民はわずかな失業手当に頼る生活を余儀なくされている。ある日、この島に大規模なプラスチック工場誘致の話が持ち上がる。狂喜乱舞する島の人々。これで、みんながまた仕事に就ける! しかし、工場建設には1つ重大な条件が…。それは「島に定住する医師がいること」。慌てふためく島民たち。そう、サントマリ島には「お医者さんがいない」のだ! 島民たちはもう4年以上、医者に会ったことがない。困り果てたその時、本土に行ってしまった元町長の協力で、一人の若き青年医師クリストファー・ルイスが島にやって来ることになった。これぞ絶好のチャンス! なんとかしてドクター・ルイスに島への定住を決意させなくては…。そのためにはサントマリ島がいかに素晴らしく、理想の島だということをアピールしなければならない。なんとかルイスに島を気に入ってもらおうと、町長のジェルマンを筆頭にアンリやイヴォンら島民たちは頭をひねり一致団結。いよいよ愛する島を救うための、ウソで塗り固めた大芝居が始まる。少しでもルイスに気に入られようと、彼の好きなことを調べ上げて、こっそり先回りしてそれを実行するジェルマンたちは大忙し。ルイスがクリケットファンと知れば、ルールさえ知らぬ島民たちが真っ白なユニフォームで登場し、チームを結成。筋金入りのクリケット好きを装う。また今にも倒壊しそうな老朽小屋を、国の重要指定文化財に仕立て上げる。時にはルイスの電話を盗み聞きし、好物や趣味など”ルイス情報”を入手。「大きな魚が釣り上げてみたい!」と聞けば、ルイスの釣り竿に冷凍の大魚を掛けて喜ばせたり。気さくで楽しい島の人々に囲まれて、次第に島に馴染んでいくルイス。そして一人の美しい女性との出会い。なんとかルイスを引きとどめようと、不器用ながらも必死に奔走する島民たち。だが、涙ぐましいウソの数々がやがて、ルイスの知るところとなり……。

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映画レビュー

4.5White lies!!!

2024年5月18日
iPhoneアプリから投稿

最初の方は家事をしながら見てたけど、レビュー数は少ないながらかなりの高評価で最後まで観ました。

今、地元バンクーバーのホッケーチーム、バンクーバーカナックスが2シーズン目のプレイオフでも勝ち続けており、イベントスタッフのバイト中の私も仕事が増えてありがたい今日この頃。試合会場のスタジアムのお祭り騒ぎのみならず、地元の盛り上がりも、ものすごいです。

イベントスタッフのみなさんも、仕事中にもかかわらずモニターをチラチラ見ながら叫んだり、休憩時間を過ぎても休憩室で試合を見てワイワイゲーム分析したりと、カナダのホッケー熱は、日本の野球やサッカーに匹敵するレベルです。だから、クリケット好きの先生のいない合間に、チャンネルを変えてホッケーを見て大騒ぎをするのも、実際の観客そのままの雰囲気でした。

あんなハンサムなお医者さんが、わざわざオジさんオバさんばっかりの孤島に来るかなぁとは思いましたが、あの手この手で先生を引き留めようとする、島民の一致団結さに胸熱でした。

田舎じゃないけど、バンクーバーでも目が合えばニコッとするし、知り合いには必ず調子はどう?と話しかけるし、仲良しとはハグをするし、バスの運転手にはサンキューと叫ぶし、ナンパじゃなくても全く知らない人からも話しかけられるし…、日本とは違うことばかりですが、こういう温かい習慣があれば、引きこもりとか鬱とかは減るんじゃないかと思いました。

最後らへんの嘘がバレた辺りのシーンがちょっとグダった感じでしたが、いかにもカナダにいっぱいいるおじさんたちの描写も含めて、色々楽しめた作品でした。

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ゆ~きち

4.0島民100人の大移動!人数が多いと笑えますね。

2021年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 島民は合計125人なのですよ。しかもほとんどの人が生活保護を受けているという貧しいサントマリ島。工場誘致という話があれば、そりゃ必死になりますよね。だけど、条件があって、島に定住する医者が必要だというのです。一人の医者が1ヶ月島にやってくることになって、何とかこの島を好きになってもらおうとウソを積み重ねる島民たち。憎めないウソばかりなのですが、やがてウソをつくことにも無理が出てくる・・・

 釣りが下手なルイス医師になんとか魚を釣ってもらおうと努力するジェルマン。ルールを誰も知らないクリケットを楽しむ島民たち。医師の電話内容をすべて盗聴するおばさんたち。どれもこれもおかしい。思わず大爆笑してしまいました。

 高齢化問題や失業問題を抱えながらも日々を楽しく過ごし、誇りを忘れない島民。結束も固いし、ウソの目的だって一人一人の生活をお互い思いやってるからこそだ。最後のルイス医師とジェルマンのやりとりも見物です。

 それにしても代理医師って・・・ホラー映画かと思ったぞ。

【2005年10月映画館にて】

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kossy

5.0一番好きな作品

2018年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

幸せ

過疎化が進む日本にとってありえない話でもない。
コメディだけど、らしくない立派な社会派映画。

人間はとても弱いものだから 顔で笑って見栄張って。

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miharyi

4.5嘘の上に築くもの

2013年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

貧しい島が工場誘致のために、全員力を合わせて嘘をつく。

工場誘致の条件が、医者在住なのだ。

何も知らずやって来た、青年の医者に完全な休暇を取つくろう。

フフッと笑ってしまうような嘘の数々。

医者と、とても良くしてくれる町の人々との間で絆がうまれる。

嘘を土台に積み上げものだけど

島のみんなと医者の心には確かな繋がりが生まれていく。

私たちの現実の世界でも嘘はとてもリアルなもので。

信頼のなかに残酷な嘘・やさしい嘘・虚栄の嘘など、入り混じっている。

嘘をここまで大々的に、でも温かく表現するなんて・・・脱帽

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momogaria-no