劇場公開日 2005年5月14日

「♪BORN THIS WAY」バタフライ・エフェクト 77さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5♪BORN THIS WAY

2011年12月25日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

怖い

興奮

が頭から離れなかった。

バタフライ・エフェクトって言葉の響きからなんだかそそられてしまう評判の高い本作をやっと観ました。すっごく良かったです。

言ってしまった言葉、やってしまった事、また言えなかった言葉、やらなかった事。
いろんな後悔があっても人は時間は戻せないし、未来に向かって今を生きるしかない。

あの時こうしてたら…
もしこうだったら…

“絶対”で“平等”だからこそこの“たられば”誰もが一度は想像したことがある、だけど100%実現できないこと。
その身近且つありえない話に不思議な感覚を覚えてぐいぐい引き込まれる映画でした。

序盤から「どういうことどういうこと?」と引き付けられて、見事な伏線回収で「なるほどなるほど」とさせられる気持ち良さ、メッセージやテーマを伝える角度やアイディア、演出力や演技力、どれをとっても映画としてとっても秀逸。(余談ですがカオス理論を扱った『カオス』に期待してたのはまさにこういうこと!)文字が揺れる演出も好きだし、ラストのすれ違うシーンの雰囲気の出し方もたまらなくツボでした。
こういう監督・脚本・演技が一つでも欠けてたら成り立たない作品大好きです。子役たちまでぬかりなくみんな素晴らしかったです。

もし神様ですらタブーにしている(?)過去を変えられる力を持っていたら。

“知りたい”という欲求と実際に“知る”ということには大きな隔たりがあって、知らないというのは愚かだけど幸せなもので知ってしまったら心が動いてどうにかせずにはいられないのが人間という生き物。
確かに試してみたい気もするけどその実は一度試したらあるはずのない“パーフェクト”を求めてしまう悲しい能力に他ならない。

“わからない”のが醍醐味なんだし、 “忘れる”というのも寂しいことだけど天が与えてくれた才能の一つなのかもしれませんね。

ある地点の線路の方向をちょっと変えただけで到着駅は変わる。あとはそれが必然だったみたいになるようになってしまう。
それもそのはず、人は一人で生きてるんじゃないんだからもちろんそうなる。出会いと環境が自分を作って、今ここに誰かがいるという“歴史”はそんなに浅く単純な積み重ねじゃない。それは実は過去を変える前も後も変わらなくて。
主人公の払った“代償”は本当に切ないけれど、それを通してわたしたちに訴えてくるメッセージは本当に温かい。

時間は戻せないけどそれがいい。人は変えられないけど自分なら変えられるんだからリセットしなくたってどこからでも再スタートできる。一度でたくさんなのが人生だなーと改めて考えさせてくれました。

77
77さんのコメント
2011年12月30日

いいですよねー>< すべてにおいて秀逸!
監督たちがこだわったというオリジナル版の方がメッセージの本質な気はするけど私もあのラストが好きです。
お互い振り返ってるけど目が合わないっていうよくある演出であんなに鳥肌が立ったのは初めてでした。

77
マイ☆スコさんのコメント
2011年12月29日

この作品はとても良いと思います。
あの伏線の張り方といいラストといいとても好きです。たくさんのラストからあのラストを選んだのは正解だと思います。
自分の中では一番好きな作品です。

マイ☆スコ