劇場公開日 2005年4月23日

「とっても歯ごたえのある”甘さ”」甘い人生 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0とっても歯ごたえのある”甘さ”

2011年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

全然、甘くないじゃん。。。
もっと、ベタベタのラブストーリーかと
思っていたよ。なんか、韓流作品っちゅうより、
アート系の作品っぽかったなぁ。。。

※心残ったセリフ
〈 動いているのは枝でも、風でもない。お前の心だ 〉
〈 どうして笑っているの? 叶わない夢だから 〉

客電が点灯し、うしろを振り返った瞬間、
泣いている人、苦笑いしている人、渋面をしている人、
多種多様な表情を見ることができました。

それだけ、奥が深いと言いますか、
見る人によって、鑑賞後の感覚が、異なる作品だと思います。

ちなみにわたしは「苦笑い派」でした。
う~ん、そうきますか!!!的な感じ。

イ・ビョンホンさん、
シン・ミナさんが出演して、
この作品タイトルですから、
もっとメロドラマっぽいのかと、
勝手に想像をしていたんです。

ところが、恋愛要素はあるものの、
それは秘められた感情で、作品全体も、
音楽といい、色使いといい、アクションといい、非常に男っぽい。

シン・ミナさんも、
監督の演出なのか、
もっとかわいいはずなのに、
あえて薄化粧で、あまりかわいくしていませんでした。

なんか、すべての面において、
タイミングをずらされてしまった感じで、
あれっ?あらっ?うわっ!など、作品の、
世界に入りつつも、腰が落ち着かないまま、
気がついたらエンドロールが流れ始めていた、なんてことになってしまいました。

◇   ◇

・男の嫉妬
・別の生き方(があったかもしれない)

わたしにとっては、
上の2つが心に刺さりました。
ここまでド派手ではなくても、
普段の生活で、今作のような
ことはあるのではないでしょうか。

第三者から見れば、大した出来事でなくても、
当事者にとっては、相手に殺意が芽生えるほどの逆鱗に触れていた。

だから、第三者側には、相手がなんでそこまで怒るのか全然わからない。
一晩悶々として、夢の中に出てくるほど、考えても理由がわからない。

それは、その人の生い立ちであったり、
過去に、受けた傷のトラウマが原因であったりすることが多いのですが、
今作のように、強い絆で結ばれていた師弟であっても、起こりうるわけでして、
まとめてしまうと、メロドラマどころか、人生教訓めいた、作品になっておりました。

◇   ◇

愛を知らなかった男が、初めて知った恋心。

それは、禁断の果実に、触れてしまった瞬間。

魔が差しただけかもしれない。しかし後戻りできない道へと踏み込んだ瞬間だった。

枝が動いたのではない。風が吹いたのではない。あなたの心が動いた。

それは、決して叶わない夢。彼にとって“甘い人生”だったのだろう。

◇   ◇

詩、風、スイーツ、
他にも、色々な小道具が出てきますが、
今、振り返ると、そのすべてに意味が、込められていたような気がします。

また、背中を映すシーンが幾つかあるのですが、
表情が見えない分、観客は想像しなければならないわけでして、
それについても、わかりにくいとの、マイナスでなく、お客さんを、
信頼してくれている、とのプラスに、受け止めることができました。

だから、最後にくる、
謎解き、のようなシーンの表情には、
今作で、唯一、目がウルッとしてしまいました。

★彡     ★彡

この日は、
今作のあとに『悪魔を見た』を鑑賞予定。

気持ちを軽くしてから、
ヘビーな作品を見よう♪

そんな計画は無残にも崩れ去り
気持ちを重くしながら、さらに、
思い作品を見る羽目になってしまいました(苦笑)。

今作、歯応えのある、甘さですので、十分にお気をつけくださいませ。

septaka