劇場公開日 2005年2月12日

「激痩せのベイル」マシニスト bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5激痩せのベイル

2022年4月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

クリスチャン・ベイルの『バットマン・ビギンズ』の前に出演した作品。それほど,話題にはならなかったが、これが、あの『バットマン』で、逞しい肉体美を見せてくれたベイルか…と、目を疑うほどの激痩せぶり。

謎の病で1年間も不眠症をに悩まされ、頬がこけて、肋骨も浮き上がり、関節が妙に飛び出し、目も死んだ魚のようなベイル演じるトレバー。ここまでの激痩せは、身体もおかしくなるのではないかと思うが、彼の役者魂には、恐れいる。

機械工場で働くトレバーの前に謎の男が現れる。また、家の冷蔵庫には、不可思議なメモか貼られていた。それからというもの、彼の周りで不吉な出来事が次々と続く。そして、とうとう彼自身も危うく,大怪我をする寸前に…。

サスペンスというよりは、その怖さはホラー映画以上。工場の機械に腕が挟まれる前の緊迫感、子供と入ったお化け屋敷でのおどろおどろしさ、冷蔵庫から滴り落ちる真っ赤な血、そして、何より骸骨のようなベイルの風貌が、一層この作品の恐怖をあおっている。

次第に、トレバーは、周りからも見放され、彼自身も理解し難いチグハグな事実が突きつけられていく。いったい、これは現実なのか?それとも妄想なのか?謎の男とメモの正体が明らかになったとき、衝撃的なラストが待ち受けている。

クリスチャン・ベイルのこれまで見た事のない役柄に、恐怖で心も揺さぶられた。

bunmei21