暗黒への転落
劇場公開日:1956年10月15日
解説
アメリカの暗黒街に住んでいる不良少年の赤裸々な、ありのままの姿を描き出し、都会の暗黒面にするどいメスをふるった異色ギャング映画。ウィラード・モトレイのベストセラーを基に、「ピクニック」のダニエル・タラダッシュと、ジョン・モンクス・ジュニアが共同脚色、「理由なき犯行」のニコラス・レイが監督した。撮影は「殴られる男」のバーネット・ガフィ。音楽は「見知らぬ人でなく」のジョージ・アンシールの作曲、「去り行く男」のモリス・W・ストロフが音楽監督。主演は「必死の逃亡者」のハンフリー・ボガート、「追われる男」のジョン・デレク。「探偵物語」のジョージ・マクレディ、「武装市街」のアリーン・ロバーツ、「地球最後の日」のバリー・ケリー、「必死の逃亡者」のデューイ・マーティンなどが助演する。
1949年製作/アメリカ
原題または英題:Knock on Any Door
配給:ブレイクストン日本会社=映配
劇場公開日:1956年10月15日
ストーリー
強盗と警官射殺の容疑者ニック・ロマーノ(ジョン・デレク)の裁判。カーマン刑事(ジョージ・マクレディ)はニックを真犯人を決めつけるが、弁護士アンドリュー・モートン(ハンフリー・ボガート)は偏見で裁判してはならぬ、と弁論を6年前に戻す…。当時、ニックの父親は無実の罪で傷害罪に問われ、弁護をしたモートンが本腰を入れなかったために、有罪。獄舎で死亡した。折りしも時は戦争勃発で、物価は暴騰、一家はシカゴの貧民窟スキッド・ロウに転落し、2年後にはニックも清純さを失い、不良少年団のボスになっていた。感化院にも送られ、そこから貧民窟に戻ったとき、同様の生い立ちを持つ少女エンマ(アリーン・ロバーツ)と出逢い、心惹かれる。だが、ニックは又もや刑務所送りに。1年後、娑婆に戻った彼は正業に就き、エンマと結婚。だが職工長の屈辱で再び悪事に手を染めるようになり、悲しむエンマは遂に自殺を計り、ニックに死の抗議をした。最愛の妻に最後の別れをしようとするニックに、前科者だからと拒む警官。警官を憎み、世を呪ったニックは、やがて強盗と巡査殺人で捕まった…。「総ての人間はふとしたことで一生を左右する。これは彼だけの罪だろうか?」スキッド・ロウ出身のモートンは、貧民窟調査の仕事をしている妻アデラ(スーザン・ペリー)の励ましで、今回の弁護を買って出たいきさつを語り、法廷は静まりかえった。証人の言明が総て不利にも拘らず、法廷全部がニックの助命を考えていた。だが検事は、エンマの死は確かに自殺だったのかどうか、彼を訊問する。ニックの緊張した神経は激動し、犯行を告白した。判決は死刑。だがニックの顔には、重荷を下ろした満足気な様子がただよっていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ニコラス・レイ
- 脚本
- ダニエル・タラダッシュ
- ジョン・モンクス・Jr.
- 原作
- ウィラード・モトレイ
- 製作
- ロバート・ロード
- 撮影
- バーネット・ガフィ
- 音楽
- ジョージ・アンセイル
- モリス・W・ストロフ