殴られる男
劇場公開日:1956年5月8日
解説
暗黒街の黒幕によって巧みにあやつられている拳闘界のみにくいカラクリを赤裸々に暴露したもので、「波止場」のシナリオでアカデミー賞をもらった、バッド・シュールバーグの小説を映画化したもの。この原作は現在プロ・レスラーとして活躍しているプリモ・カルネラがモデルではないかといわれている。「折れた槍」でアカデミー原作賞をもらったフィリップ・ヨーダンが製作、脚本を担当、「チャンピオン」ノマーク・ロブソンが監督、撮影は「やさしい狼犬部隊」のバーネット・ガフィ、音楽は「恐怖の土曜日」のヒューゴー・フリードホーファー。主演は「必死の逃亡者」のハンフリー・ボガート、「去りゆく男」のロッド・スタイガー、「第三暗黒街」のジョン・スターリング。この映画のために探し出された巨人のマイク・レーン、元ヘヴィ・ウエイト級チャンピオン、マックス・ベアとジェシー・ジョー・ウォルコットが特別出演している。
1955年製作/アメリカ
原題または英題:The Harder They Fall
配給:コロムビア映画
劇場公開日:1956年5月8日
ストーリー
失業中のスポーツ記者エディ(ハンフリー・ボガート)はある日拳闘選手のマネージャー、ニック(ロッド・スタイガー)に、トロ(マイク・レーン)という選手の売り込みを頼まれた。トロは力量はないが7フィートもある巨人で、これをあてこんで相手を買収して八百長試合をしようというのがニックの腹だった。第1回の試合は難なくKO勝ち。こうした裏面工作によって次々と相手を破っていった。トロの人気はあがり、ニックの思う壷となった。やがて前ヘビィ級チャンピオンのガスと試合を行なうこととなった。その試合では、前の試合で頭を殴られたためか、ガスはトロのあっけないパンチに倒れ、脳出血で死亡してしまった。その結果ヘビィウエイトの選手権をかけてブラナンと戦うこととなったが、その間際にトロは、母が殺人をやめろというから出ないと云い出した。ニックが蒼くなって翻意させようとしたがきかないので、遂にエディが彼の試合のインチキを暴露した。しかも今やめて帰ると無一文だし、今度の八百長なしの試合は負けても勝っても金を持って帰れると納得させた。こうして行なわれた試合は、トロの烈しい闘志にも拘らず、ブラナンのパンチにあっけなくダウンした。翌日トロのためにエディがニックの所に受け取りに行った金は、百数十万ドルの収入のうち僅か49ドル余りだった。しかもニックは、トロをいかさまマネージャーに売りとばし、田舎の見世物にしようとしていた。さすがのエディも、金のために血も涙もないニックの態度に腹をすえかね、敢然とこうしたボスに立ち向かうことを決心した。そして、「殴られる男」の原稿を書き出したのである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- マーク・ロブソン
- 脚本
- フィリップ・ヨーダン
- 原作
- バッド・シュールバーグ
- 製作
- フィリップ・ヨーダン
- 撮影
- バーネット・ガフィ
- 美術
- ウィリアム・フラナリー
- 編集
- ジェローム・トムス
- 作曲
- ヒューゴ・フリードホーファー
受賞歴
第29回 アカデミー賞(1957年)
ノミネート
撮影賞(白黒) | バーネット・ガフィ |
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第9回 カンヌ国際映画祭(1956年)
出品
出品作品 | マーク・ロブソン |
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