「終った瞬間、場内には「難しい~」という声がチラホラ」箪笥/たんす kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
終った瞬間、場内には「難しい~」という声がチラホラ
これは怖い。いや、怖いだけじゃなく謎だらけなのだ。その謎も公式サイトの掲示板に行かなければわからないの、トホホ。しかも、仮説が何通りもあって・・・悔しいのでもう一度行ってきます。何だか、近親相姦が根底にあるらしい・・・そんなん1回観ただけじゃわからん!
と、2回目鑑賞。周りの客は皆難しそうな顔して首を捻ってる姿を見かける。さすがにリピーターとしての優越感を隠し切れず、多分、勝ち誇ったような顔をしていたに違いない。
「忘れてしまいたいこと、消してしまいたいこと」・・・忌まわしい記憶を消す事ができないことが恐怖や悲しみにつながる。2回目を観ると、重くのしかかるこの台詞。そして、「お前はこの一瞬のことを一生後悔するだろう」というおぞましいくらいの台詞と、この言葉の陰にある気付かなかった事実にずっと苛まれるスミ。そのトラウマが多重人格という病気を引き起こし、「聞こえなかったの?」という台詞が何度か出てくる伏線に繋がっているのだ。こうやって頭の中を整理すると、ホラーよりも悲惨な愛憎劇が浮き彫りになり、号泣ホラーというキャッチコピーにも頷けるのである。
結局、一軒家に訪れたのは父親と長女のスミの二人だけ。妹のスヨンは、スミの心を反映した妄想に過ぎなかったということが中盤以降にわかり、『ビューティフル・マインド』と同じような展開だったのだが、この作品はそこでは終らず、継母を演じていたのもスミ本人であったという驚愕の多重人格プロットで斬新さを打ち出しているのです。観客の多くは、ここで頭の整理を余儀なくされ、フラッシュバックのように流れる過去の事実に取り残されそうになってしまい、「難解な映画だ」と感想を持ってしまう。この難解さがリピート欲をそそる一方、「わからないから駄作だ」と決め付ける人を生み出している。韓国本国の人たちには、原作が伝統的な怪談であることから、馴染みやすい映画となっているのだが、日本人の感覚からすれば受け付け難い作品なんでしょうね。日本人はシンプルな怪談話の方が合うようで、、ドリームワークスが破格値でリメイク権を獲得したという事実や、数多くの映画祭でグランプリを取っていることからもわかるように、西洋人には受けているようです。
最初に観た時には、「なんと不釣合いな音楽なんだろう」と違和感を感じたのですが、リピート時には、さすがに涙を誘われました。
kossyさん、公式サイトのネタバレ読んで、なるほど〜でした。納得の場面もあり、まだモヤモヤなところもあり。録画は消しちゃったからまた放送があったらもう一度観ておさらいしますねえ!