「インディジューンズ 失われた脚本」クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち レントさんの映画レビュー(感想・評価)
インディジューンズ 失われた脚本
インディジョーンズのパロディー映画として観るのがおすすめな作品。脚本が途中でどっか行っちゃったのか、もう伏線もなんもあったもんじゃない。
ただ絵作りとかアクションはそれなりのもので、役者さんも一流どころを集めてるので本来C級レベルの作品を何とかB級レベルには押し上げている。
内容的にもキリスト教の異端であるモンタノス派や戦時中の対ドイツ防衛のために築かれたマジノ線、フランク王国のロタール2世等々、いろいろな歴史的要素を取り入れてそれなりのものを作ろうとしてるんだけど、やはり物語の筋が一本通ってないから評価のしようがない。
最初は黙示録の予言を無理矢理実現するために狂信者集団が暗躍して連続殺人をしてるかのような展開を見せていながら、とどのつまりはインディジョーンズばりの財宝を巡る陰謀話に着地。
入院中のキリストにジャン・レノ扮する刑事が勝手に自白剤を点滴に入れて供述をとろうとしたり、覚せい剤のアンフェタミンでスーパーマンのように能力が倍増するかのように描いたり、本作のおかしなところをいちいち指摘してたらきりがないが、一番おかしなところと言えば黒幕が狙うロタール2世の隠し財宝である書物を動かすと仕掛けが作動して洞窟が水浸しになりそこにいる全員を溺死させるという仕組み。
ロタール2世がバチカンの財宝を盗み出したのは9世紀の話、しかしこの地下の財宝の隠し場所の上に作られたマジノ線沿いの人工湖は1930年代の話。ロタール2世が財宝を隠した時には当然地上に人工湖は存在していなかった。だからこのカラクリ自体がおかしい。
それともインディジョーンズ最後の聖戦に出てきた十字剣兄弟団のように財宝を何世代にもわたって守ってきた連中がいて、財宝を守るためのシステムをその都度改良していたというのかな、ならばその連中が出てこないのはおかしいよね。とまあ、もはやおかしなところを指摘する気力をなくすくらいな内容なので、途中からは女刑事役の女優さんがきれいだなあと思いながら半ば映像を眺めてた。
そもそも本作を見たのはミヒャエル・ハネケの「ピアニスト」に出ていたブノワ・マジメルつながりだった。配信が終わる寸前だったので見てみたらほんとどうしようもない脚本でリュック・ベッソンのやっつけ仕事という感じだった。