「ママがアタシで、アタシがママ!?」フォーチュン・クッキー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ママがアタシで、アタシがママ!?
厳格な母親と反抗期真っ盛りの娘。
おみくじクッキー(フォーチュン・クッキー)を食べた事から、マジありえないんですけど!
私たち、入れ替わってるぅ~?!
ディズニー1976年の作品『フリーキー・フライデー』を同社でリメイクした2003年の作品。
定番の“入れ替わりもの”。2003年時だったらやはり『転校生』が有名だし、その後だと『君の名は。』。
幼馴染みもしくは見知らぬ少年少女が入れ替わって青春ラブストーリーを絡ませる事多いが、本作はうんざりし合ってる母娘だからこその面白味。
セラピストの母テスと高校生の娘アンナ。
祖父と弟の4人暮らし。父親は亡くなり、以来母娘の仲がぎくしゃく…。
母テスの言い分。いつもいつも反抗ばかりして! どうして言う事聞いてくれないの? 母親の気持ちも分かって!
娘アンナの言い分。いつもガミガミガミガミ! パパが死んでから私の事なんて見てくれないし! 娘の気持ちも分かって!
また新たに言い合い事。テスが再婚。結婚式での付添人をアンナに頼むが、友達とバンドを組んでいるアンナは同じ日に大事なオーディションが被る。
オーディションに行かせて! 大事な日なの!
ダメ! ママの大事な日なのよ!
どっちの言い分も分かるから困ったもの。家族4人とテスの恋人ライアンが揃った中華料理店の会食の席で、またまた言い合い…。
そこへ、店主老女がおみくじクッキーを勧める。
これでも食べて気を落ち着かせてって? 落ち着く訳がない!
食べたら突然地震。2人以外誰も感じなかったけど…。
そして翌朝起きたら…。
ある日突然、真面目な母が反抗的な娘のようになり、反抗的な娘か真面目な母のようになる。性格も言動も。
母が突然意地悪になり、姉が突然優しくなり、弟はきょとん…。ライアンも結婚直前なのに突然テスが冷たくなった…?
解決法を探しつつ、普段通りの生活をしなければならない。テス(つまりアンナ)は仕事へ、アンナ(つまりテス)は学校へ。
言うまでもなく、あっちでこっちで色々と。破天荒なセラピー、人が変わったようなアンナに友達は困惑。
でも、悪い事ばかりじゃない。喧嘩してばかりの弟の本心を知る。友達を介して母に対する娘の気持ちを知る。
知らなかった事、気付かなかった事…。
このままお互い見直すきっかけになるかと思いきや、またまた騒動。
アンナには片思いしてる男子がいて、その相手ジェイクが人が変わったようなアンナに幻滅。代わりにノリのいいテスを好きになってしまう。
やっと見つけた解決法。しかし、何度やってもダメ。まだちゃんと、お互いを理解し合ってないから…。
結婚式リハ日とオーディションの日。身体が入れ替わったまま、さあどうなる…?
ジェイミー・リー・カーティスとリンジー・ローハンの好演に尽きる。
当時アイドルとしてティーンに絶大な人気を誇ったローハンのオバサン演技。
最たるはやはり、カーティスのハイテンションなティーン演技。さすがのコメディセンス。個人的にこの人はホラー・クィーンよりコメディ演技が光る。
元に戻るきっかけがバンドのシンクロなのもアゲアゲにさせてくれる。
個人的にナイスな事を言ってくれたのは、ライアン。テスと同じく堅物かと思いきや、理解ある大人=親になろうとする。
勿論ハッピーエンドの予定調和ながら、演者の好演、ユーモアとハートフルと家族愛たっぷりの好編。
あなたも家族関係に悩んだら、このおみくじクッキーを…。
その入れ替わりが20年の時を経てまたまたというのが面白楽しみ。
