ポーリーヌのレビュー・感想・評価
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介護問題と恋愛
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三女ポレットは小物雑貨店を経営し、オペレッタの歌姫として活躍していた。ポーリーヌは妹ポレットを誇りに思い、憧れ、慕っていたが、ポレットは忙しさゆえ姉の世話をするのが困難。四女セシールは家を飛び出し、フランス人男性と同棲中。アパートが狭くて、こちらも面倒見きれない。
施設に入れると遺産がもらえないという打算的な考えだけでは、親族のケアをすることなんて出来ない。愛情のない介護なんてのも出来るはずがないことをこの映画は教えてくれる。
画面いっぱいの花畑、赤を基調とした店。そのままポーリーヌの秘めたる心を描写しているかのようだ。30年つとめたオペレッタを退団して、仲間たちが家族ほどの愛情をもたない存在だったと気づいたポレットは海辺の家へと向かうが、人生の終焉であるかのような海の白々しさが、残された身内のポーリーヌを愛さねばいけないと気づかせてくれる。
ラストのシークエンス・・・海辺でアルバムを開き、店の包装紙と切手が風に飛ばされ、かもめが空を飛ぶ・・・偶然にしては出来すぎと思うくらいに素晴らしかった。
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