しあわせな孤独のレビュー・感想・評価
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【”心を開いて。”突然の交通事故に遭った被害者カップルと加害者夫婦4人の関係性の変遷を描いたヒューマンドラマ。若きマッツ・ミケルセンの魅力が炸裂している作品でもあります。】
■婚約間際の幸せな日々を送るカップルのヨアヒムとセシリ。 ある日、ヨアヒムはセシルの車の横で交通事故で全身不随になり、心を閉ざしてセシリを突き放すようになってしまう。 ヨアヒムの人生に絶望した態度に疲れたセシリは、加害者の主婦マリーの夫である心優しき医師・ニール(マッツ・ミケルセン)に依存していく。 ◆感想<Caution!内容に触れています。> ・とても、辛い設定の作品であるが、観ていてジワリと心に響いてくるのは、ヨアヒム、セシル、マリー、ニールが己の心のままに生きる姿である。 セシルとニールの関係は、倫理的には許されない部分も有るかと思うが、見ていると全面否定できない気持ちになるのである。 ・今作のニールを演じたマッツ・ミケルセンは、30代であるが男の魅力が横溢している。そして、涙を流すマッツ・ミケルセンを初めて観た。 私がマッツ・ミケルセンを知ったのは、007カジノ・ロワイヤルのル・シッフル役である。グレイグ・ボンドシリーズはどれも秀作であるが、この作品はその中でも逸品であると思っている。その理由はマッツ・ミケルセンが演じた血の涙を流すル・シッフルの存在が大きいと思っている。 彼の方が、”北欧の至宝”と言われ始めたのは、この頃だったであろうか。 ・ニールの娘スティーネも、辛いよなあ、と思ってしまう。自分が母マリーと口論していなければ、母は事故を起こす事は無かったのに。それを後悔して、わざとぶっきら棒な態度を家では取っているが、壊れ行く家庭を心配して、父ニールを尾行し、セシルの家に行き最初は”父と別れてくれ”と、強気に出るが、最後は”赦して。私が母と喧嘩しなければ・・。”と謝る姿は、とても沁みるのである。 <そして、ニールは家を出て行くが子供の誕生日には、優しい父として戻って来るし、ヨアヒムも自分の辛い境遇を漸く受け入れて、”心を開いて”セシルと接する姿も、心に響く。今作は、辛い出来事により一時はバラバラになり掛けた2組のカップルが、その運命を受け入れて前を向いて生きていく姿を描いた作品なのである。>
若きマッツ目的で鑑賞。 ドグマ95という制作ルールの映画を知らなか...
若きマッツ目的で鑑賞。 ドグマ95という制作ルールの映画を知らなかったので、序盤は自主制作映画?カメラの不安定じゃない?と思って調べたらそういう事だったんですね。 ストーリーに関しては、マッツそっちの道に進んじゃうから駄目だって!って念じてるのにどんどんハマっていってしまい、あまりのマヌケっぷり笑えてくる…。 娘がまた勘の良いことよ…。 誰の切ない気持ちはわかるから、物語のまとめ方は納得がいく方向で私としては良かった。
ドグマ映画の代表作の一つ
これがドグマ映画なのか。手持ちカメラのみで延々と語られていた。振れ込みでは、4人それぞれに感情移入が可能ということだったが、一旦事故に遭ったヨアヒムに感情移入するとどうしようもなくなった。身体が動かせないし、セシリとは別れるしかなさそうだし、絶望感のためか眠くなる一方だったのだ。セシリだともっと頭を使い、医師ニルスだと結構いい思いができたかもしれない。 日本で考えると損害賠償の問題や加害者側の悲哀などが重大なテーマになるはずで、こんなのんきなことはやってられないはずだ。実際はどうなんだろうか・・・ ※「ドグマ映画」が気になる方は「ドグマ95」で検索してみてください。
タイトルを忘れて観て下さい
女性監督スサンネ・ビアの独特な映像世界。交通事故が切っ掛けで二組の夫婦関係が乱れ苦しむ姿を、重々しくなく説得力を持って描く。前半の描写力に比較して後半の盛り上がりが弱いのが惜しいが、固定されないブレの多いカメラワークが内容と合致して、他にない個性ある演出を見せてくれる。事故を起こした男の初めての浮気に自己を失うところなど自然だし、家族5人の細かい描写が理想的だった父親像を裏付ける。善人ばかりの大人4人が、それ故に苦しんでしまう皮肉が有るので、単なる通俗的な物語には終わっていない。タイトルの日本題名で損をしている。地味ながら、演出・演技・撮影は秀逸だ。
事故を通して、被害者・加害者それぞれの人生が周囲の家族をも巻き込み...
事故を通して、被害者・加害者それぞれの人生が周囲の家族をも巻き込みながら反転していく。 答えの出しようがない複雑な関係が役者の演技力で十分伝わってくる。鑑賞日:2015.1.31
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