「監督の根幹は変わらない」ほえる犬は噛まない こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の根幹は変わらない
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韓国映画でブラックコメディのおもしろいのがある、と
話題になってたのはずいぶん昔になってしまった。
気になってたもののずっとタイミングを逃してきた作品。
その間パラサイトでアカデミーとカンヌを受賞するのだが
いまこの作品を見ると
パラサイトに通じるものが確実にあり、
監督の根幹は揺らいでないのだと思える。
学歴は良いのに上にいけない、
貧富の構造があり、富める者をうらやむが
富めると思ってたものにも事情があったり、
はたまた陰惨で不穏な空気は常につきまとってるのに
背中合わせにシュールな笑いの空気も
同居している。
家族関係はいびつなようでもある。
しかし結びつきは固い。
処女長編作ということで若干散漫にも思えるけれども
ここに原点があると思うと非常に面白い。
とはいえ、持ち味が誰にでも好かれるものではないので
見る人を選ぶきらいはある。
それに犬好きとしては辛い場面もあり
そういったしんどさは否めない。
犬食の文化のある韓国だから生まれた作品。
でも興味のある方はぜひ一度は観てみてほしい一本だ。
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