ディナーラッシュのレビュー・感想・評価
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観逃していた良作
【鑑賞のきっかけ】
2002年の日本での劇場公開時には、全くノーチェックで、その後も、その存在を知りませんでした。
たまたま、ある映画情報のメールの中に、オススメ作品として紹介されていたことから、動画配信で鑑賞してみることにしました。
【率直な感想】
あまり有名な作品ではないですが、率直に言って、かなり出来映えの良い作品ではないかと考えています。
物語の冒頭で、ルイスというニューヨークで25年にわたり、「ジジーノ」という料理店を経営している人物が、その仲間をギャングに射殺されてしまうという事件が起こります。
物語は、今はイタリア料理店となっている「ジジーノ」店内で繰り広げられるある一夜の人間模様が描かれます。
店の片隅で店内の様子を見守るルイス。その息子で、料理長を務めるウード。そして副料理長のダンカン。
この三人を中心として、映像は、客としてテーブルを囲む面々の会話や、厨房での戦場さながらの料理づくりのシーンなどが織り込まれる、いわゆる群像劇のスタイルをとっています。
冒頭で、ルイスの仲間を殺すという犯罪が起きているものの、「ジジーノ」での一夜という群像劇が始まると、そこで、交わされる会話や、作られる料理の見事さに目を奪われて、「サスペンス」であることを忘れてしまいました。
そこが、本作品の巧みなところで、ラストの意外な展開を観て、私は、これが「サスペンス」だということを再認識するとともに、その物語構成の緻密さに、驚嘆させられました。
【全体評価】
群像劇の裏で巧みに仕組まれた事柄の全貌が明らかになるラストは、正に「サスペンス」の真骨頂とも呼べるもので、高く評価したくなる作品でした。
半径1Km未満で展開する映画?
復讐と美味い料理は後を引く
オシャレサスペンス映画
10年以上前に東京都写真美術館で上映してたものを鑑賞したのだが、ちょうど料理に関する映画を観たので思い出してのレビュー。
ニューヨークの四つ星レストラン。優雅な表向きとは裏腹に、キッチンで巻き起こる慌ただしさはまるで戦場。観ていると、自分もまるで厨房にいるかのような錯覚になる。経営問題、借金、束の間の逢瀬…一夜のうちに起こる数々の出来事が目まぐるしくキッチンにいる人間を巻き込んでいく。
レストラン映画なので美味しそうな料理とオシャレでテンポのいい会話で終わると思ったら大間違い。最後にたたみかけるように明かされるどんでん返しに、開いた口が塞がらなくなる、何とも痛快なサスペンス映画。
金曜日の夜、お酒片手にフラっと観たくなる映画です。
懐かしい
ジャケ買い(ジャケ見?)で期待してなかったんだけど、期待してなかっただけに面白かった!
前振りのストーリー以外は、あるNYの人気レストランの、たった一晩のお話。
でも、その狭い空間の、短い時間の中に、色んな要素が詰まってる。
キャリア志向、プライド、仲間意識、家族愛、恋愛、そして大どんでん返し。
あのキッチンの戦争ぶりが懐かしく、飲食業界に戻りたくなってしまった。
馴染みのある世界だけに、ストーリー以外に目が行っちゃうのがちょっと困ったけど笑。
満席の時に、店を抜け出す副シェフとウェイトレスが許せなかったのと(自分が一緒に働いてたらキレる)、「お皿ヒーターに入れないんだね」っていうのだけが引っかかりました。
スポーティなテンポのいいカメラワーク
アイエロ氏の魅力炸裂
主人公のルイスって、あの『レオン』の…。
いきなり人が殺される…。
よくあるマフィアの抗争劇?
と思っていたら…。
え?レストランに来る客と、厨房・フロアーで働く人、オーナーの群像劇?
と思っていたら、
そうくるか。
マフィアとの攻防、店の主権、従業員の生き様、客あしらい、恋のさや当て…
とっ散らかりそうな話題を幾重にも振りまきながらも、
この先何が起こるのだろうと緊張感を持続させる手腕が見事。
基本、映像は店から出ない。
厨房・スタッフの部屋・テーブル・入口・バー、トイレ…。出たとしても、店からちょっと抜け出し、外の空気を吸って、内緒の…。
だのに、映像の角度・人々の表情、光、色…で飽きさせない。
一触即発。ウードの甘いマスク、バーテンダーの洒脱な会話と気配り…。
あっちで、こっちで、あっちも、こっちも…。
リズムがいい。
そしてこれらのエピソードの軸になるルイスの存在が要。
アイエロ氏ならではの、あったかさと危なさ、安定感、洒脱が絶妙。
そして音楽が、臨場感あふれてて、スタイリッシュで、一夜の贅沢なディナーを満喫させていただいた。
それにしても、あんなバーテンダーがいるバーなら通ってみたくなる。
隠れた傑作では?
思わぬ拾い物!
めちゃくちゃおもしろい!
ちょっとした掘り出し物
総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル: 70
音楽: 70
日本であまり知られていない俳優ばかりだと思うし、日本であまり話題になっていなかった映画なのではないかと思う。何の前知識もなく見たのだが、思ったよりも掘り出し物でした。
レストランでのある一夜の話。ひっきりなしに訪れる様々な客たち、厨房で働いている才能はあるがだらしない大物気取りで賭博依存症の副シェフ、レストランの経営者と店にちょっかいを出すギャングたち。そのような人々の人間模様の交錯がレストランの中に詰め込まれた、小粋でおしゃれな作品。ただの繁盛しているレストランのありふれた一夜なのに、実は裏では密かに大きな計画が進んでいて、その結末がまた見所。
何でも監督が実際に所有しているレストランが舞台になっているそうで、イタリア訛りの英語といい厨房や客室の様子などはドキュメンタリーのような生々しさで、これもまた見ごたえがある。もっとも仕事中の賭博や恋愛ごとは困ったものだ。
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