「もし本作が911前に完成して公開されていたなら、もっと色合いも変わっていて、興行成績も良い結果を残せたのではないでしょうか」ニューヨークの恋人 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
もし本作が911前に完成して公開されていたなら、もっと色合いも変わっていて、興行成績も良い結果を残せたのではないでしょうか
ニューヨークの恋人
2001年12月公開
米国ではあの911から僅か3ヵ月後のクリスマスの公開でした
世情は未だ騒然としていました
2ヵ月前の10月からはアフガンに米軍は侵攻して、1ヵ月前の11月には首都カブールを陥落させていたのです
そしてそれから20年も泥沼の紛争を続けなから占領し続けることになったのです
そんな年のクリスマスの公開です
主演はメグ・ライアン
ご存知ロマコメの女王です
因みに米国ではラブコメとは言わず、ロマンチックコメディと言うそうです
出演持40歳
1989年 恋人たちの予感
1993年 めぐり逢えたら
1998年 ユー・ガット・メール
彼女の主演のロマコメものの名作といえばもちろんこの3作です
本作もそれらに連なるロマコメでまたも大ヒットを狙ったはずでした
しかし撮影の最中のまさかの911です
最早、ロマコメを天真爛漫に楽しむなんて雰囲気にとてもなれないそんな世情になってしまいました
それでもなんとか撮了してお蔵入りにもならず公開されました
そんな911の直後の中だからこそ、笑って楽しんでロマンチックな気分になってクリスマスを過ごして欲しいというのが製作側の思いだったのでしょう
でも完成した作品には、なんとなく浮かない影を感じられると思います
911の直後なのに、画面の中のNYはそんなことなかったかのようなのです
なんとなく白々しく見えてくるのです
脚本も、役者達も、監督も、そして本作を観る観客たちも脳天気になりきれないのです
肝心要のメグ・ライアンも今までみたいに弾けていないのです
不完全燃焼なのです
もし本作が911前に完成して公開されていたなら、もっと色合いも変わっていて、興行成績も良い結果を残せたのではないでしょうか
お話は、ろくな男に出逢わず恋愛はいつも煙突に引っかかってしまったサンタクロースのようになってしまう
私は人生の華をささげた
あれが華?
そんなことをいう男ばかり
自分の居場所を作るためにがむしゃらに働きかづくめて、気がつけばもう40歳
月曜日が来るので毎週日曜日が憂鬱になる
恋愛はもう諦めムード
言い寄ってくるのは昇進を餌に体を求めるヘビ男上司
そんな私に白馬の王子様が私の所にやってくる!というものです
タイムトラベルとかは単なる設定なので突っ込みごところ有り過ぎで、そんなものをとやかく言い募っても仕方ありません
結末も予想どおりの展開となります
「飛び降りるのが恋」
「真の勇気とはたとえ危険でも栄光でも前を見据えて恐れず足を踏み出すことだ」
高い橋の上から飛びこむほどの勇気がなければ、なるものもならない
そんなありきたりな結論の映画です
でもスティングが歌った主題歌「アンティル…」はなかなかの名曲でした
もっともっと面白くなったはずなのに、脚本のひねりとこなれの無さに加えて、撮影と公開のタイミングが本作を今ひとつの作品にしてしまったようです
結局、相手役のヒュー・ジャックマンの格好良さだけが心に残るだけの映画になってしまいました
彼は本作以降、ブレイクしていくことになります
一方、メグ・ライアンは本作以降
落ち目となっていくばかり
ついには2015年の映画出演を最後に消息不明になってしまうのです
そして2022年の「トップガン マーヴェリック」で久々に出演して安心したものでした
その彼女のニュースを最近久々に聞きました
その消息不明の7年間は、実は日本にいたというのですから驚きです
そしてもう一つ、そのメグ・ライアンが2023年の秋、ロマコメに復帰したというのです!
約8年ぶりの主演映画が米国で公開されたそうです
「What Happens Later(原題)」
オーバー60の恋愛のロマコメだそうです
それも主演だけでなく、脚本も、監督も彼女なのだそうです
予告編を観た限りでは、弾けているメグ・ライアンが帰ってきたのは間違いないようです
これぞロマコメという映画をまた観れそうな予感がします
日本公開が待ち遠しい!
予告編画が動画サイトにありますから、メグ・ライアンのファンは今すぐ見ましょう!