劇場公開日 2001年10月20日

「あり得ない1日」トレーニング デイ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0あり得ない1日

2013年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 85
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 70

 二人の演技がいい。良い役柄ばかりで演技も役柄も破綻のなかったデンゼル・ワシントンの悪役ぶりが、今までの差もあって同一人物とは思えないほどに存在感を示す。ホークもいい。それから出てくる犯罪者たちも本当に悪そうで、一つ一つの犯罪現場が迫力があっていかにも犯罪者たちな雰囲気が迫ってくるのもいい。結構それが怖くて、この世界が普通じゃないというのを嫌でも知らしめる。特にヒスパニック系の暴力団たちと彼らの家でポーカーをする場面がやばい。
 教科書どおりのやり方で事件が解決できるものではないだろうし、この危険地域では法律違反も恐れないのが有能と言われる刑事のやり方。常に危険と隣りあわせの任務だらけで給料だけでは釣り合わなければ、権力を使って帳尻を合わせる。だがこの人は有能だけどその力を使う方向が間違っている。時々正義の任務も果たすものの、結局敵を作りすぎる略奪者にすぎないのだから、彼の天下が長く続くわけがない。近所の住人にすら恨まれて取り囲まれているし、しかしそれでもそれを収めようとする権力の乱用ぶりと折れない強さが堂に入っている。
 それと1日でホークが正義感と良心を捨てて自分の側につけられるというのは、随分と緩い見通しをたてたものだ。ホークに1日目からこれだけ自分の弱みにもなる都合の悪い部分を見せ付けるのは、その傲慢さと驕りゆえだろうか。普通は新入りが自分の味方になるのか邪魔になるのか彼の取り扱いにもっと慎重になるものだろうし、そのあたりにちょっと彼の甘さも感じる。

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Cape God