「命懸けの戦場アトラクション」タイガーランド kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
命懸けの戦場アトラクション
「ベトナムに行きたくない者は神に祈るか、ボズに頼め」と言われるくらい、常に抜け出すことを考えているボズ(コリン・ファレル)。上官に対しても不遜な態度を取ったりするが、軍規にやたら詳しくて、抜け道を知っているため、ジョークを交わしたあとで仲良くなったりする男。除隊を願う者には家庭状況、身体的状況を訴えればベトナム免除となることも知っているが、自分では敢えてそうしない。どこまでなら許される行為かを知り尽くしてるのだから。
基本訓練を終えたのち、ベトナムそっくりの状況を作り出した実践向け訓練施設で最終チェックをするタイガーランド。兵舎では個人的対立なんかもあったりして、ひ弱な小隊長だったマイターに精神病院に入りたいと言わせたり、生活が苦しい状態のカントウェルにも除隊を勧めるボズ。どことなく労働組合の副委員長のような頼れる兄貴分といった感じもあるし、勝手に外出して女遊びもする男。
戦争を小説に書きたくて志願兵となったパクストンとも仲良くなり、一方では殺し合いに発展しそうなくらいに対立するウィルソンもいる。まだ戦場でもないのに、ここまでいがみ合うものかと思うほど狂気と化す新兵もいるのだ。やがて、実弾の入った銃をボズに向けるウィルソンだったが・・・という展開。
ベトナム戦争も泥沼化して末期になると、嫌戦感も高まっている頃。徴兵された者にとっては戦場に行きたくないと思うのも当然。とにかく生き残ろうぜ!といった自由の国らしく、ちょっと異質な軍隊モノでした。
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