ザ・コンテンダーのレビュー・感想・評価
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男性なら武勇伝になるが、女性なら許されないこと
副大統領に指名された女性政治家を巡る政争を描いた物語。
良く出来たポリティカルドラマです。
副大統領候補に指名された若き女性代議士。女性であること、あるいは、そのリベラルな思想に反感を持つ保守系代議士から強烈な攻撃に晒される様子が描かれます。
物語は後半までは私好みのリアル路線。特に、公聴会のシーンは秀逸です。悪意ある言葉で質問を繰り返す保守系代議士。その言葉の刃に、硬直する主人公。主人公の苦悩が、自分のことのように感じられ胸が苦しくなります。
ただ、終盤に映画的な面白さを求めたのは、個人的には好みではありません。もう少し、抑えた方が映画全体の完成度は高まったのではないでしょうか?
私的評価は4にしました。
ゲイリーオールドマンのリアルハゲメイクに気合いを感じる
ジェフ・ブリッジズの演技も凄い。主人公の女性は自分の大学時代のスキャンダルに対して、事実を話せば何でもないことでも、主義として最後までそのことを弁明しなかった。そこが素晴らしい。最後の大統領の民主主義に対する感動的なスピーチはアメリカでまったくそれができていない現実に対してのアメリカ映画らしい希望のファンタジーだろう。いまだ収まらない戦争の歴史は国を代表する男のメンツのようなもので起きている。子供の頃の校庭や砂場の縄張り争いから始まって男は戦うことが好きな本能を持っている。女性にはほとんどそれがない。政治は女にやらせた方がつまらないことから発する争いが無くなることに人類は気づき始めている。各国とも早く代表を女性にするべきだ。そうすれば少なくとも戦争は無くなる。
セックススキャンダル
民主党ハサウェイ知事は川に転落した車の人を救おうとして、命を省みず川に飛びこんだが車の女性は死んでしまう。マスコミからも英雄視された知事は副大統領に一番近いとされていたが、人が死んだことにより候補から外されてしまったのだ。
ハンソン上院議員は大学生時代に派手なセックスショーを仲間内で楽しんでいたことがスキャンダルネタとして取り上げられ、反対派が活気付いていた。こういう女が政界に進出すること自体不思議な国アメリカ。乱交やフリーセックスの問題から二大政党のテーマ“中絶の擁護”へのすり替えなどはばかばかしくて見ていられない。
後半にどんでん返しが待っているのですが、何となくそんな気がしていました。ハサウェイも許されないことだけど、だからといって、ハンソンが選ばれるというのも・・・最終的にはやはり二大政党万歳、アメリカ大統領万歳になるのか、「姑息じゃない」という理由だけで副大統領に指名するというのもばかばかしかった。しっかりと軍備増強を謳っているし、アメリカ人以外が見たらむかつくのでは・・・
ゲイリー・オールドマンの頭って、あんなに禿げ上がっていましたっけ?FBI記者のキャサリン・モリスが眼鏡が可愛い。
政治が正義と公正を貫く困難と向き合え
衝撃のラスト。権力闘争のすえ謀略に身を堕とす政治家、民主主義を牽引するアメリカにも未だ厳然と存在するガラスの天井に打ち砕かれようとする信念、そして政治家の極みであるアメリカ大統領自らが正義と公正を全身全霊をかけて世に問うスピーチ。心が揺さぶられる。
アメリカと日本は遅れてる
女性初の副大統領候補に指名されたレイン・ハンソン上院議員。その矢先、過去の性的スキャンダル疑惑が浮上し…。
2000年公開の政治ドラマ。アカデミー主演女優・助演男優ノミネート。
窮地に追い込まれながらも己の信念を貫くレインを、ジョアン・アレンが熱演。
ジェフ・ブリッジスの大統領もハマり役。
レインの政敵、ラニヨン下院議員役のゲーリー・オールドマンの凝った演技(と髪型)も印象的。
小難しい政界の話というより、社会派エンターテイメントとして見応えアリ。
レインに降りかかる危機やラニヨンとの口論バトルはスリリング。真っ正面から立ち向かうレインの姿は逞しい。
ラニヨンら政敵はレインのスキャンダルをここぞとばかりに使って攻撃する。
それに対しレインは、逃げ出したりせず、否定もしない。
否定すればするほど攻撃の的となり、自分を貶める事になる。身の潔白は自分が知っている。
レイン側にもラニヨンを攻撃出来るネタを掴む。が、レインはそれで攻撃しようとしない。相手と同じレベルに成り下がる必要はない。
悪あがきせず、堂々と自分自身を信じる。
レインの姿に政治家の鑑を見た。
この映画が公開されたのは10年以上も前。
女性が政治のトップになるのは、映画で描かれるほど目新しかったが、今では多くの国で女性の大統領や首相が誕生している。
アメリカや日本は遅れているのかもしれない。
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