劇場公開日 2001年7月20日

「太陽王」王は踊る kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0太陽王

2021年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 1653年、新しいヒールの高い靴をもらい舞台の中央に立ったルイ14世。頭の後ろに後光がさすような飾りをつけ、まるで太陽の化身のような神々しさが溢れる。「太陽王」とイメージされた一瞬だ。これがフロンド(貴族)の乱を鎮圧したのか?

 8年後、宰相マザランが死ぬと宰相を置かずに統治すると宣言するが、ダンスアカデミーを作るなどのたまってた。現在のバレエの原型ともなったダンスを確立した功績。リュリとモリエールのコンビによって出来上がった歌曲など興味深いエピソードが多い。

 ジャン=バディスト・リュリはフランス国籍を取得したものの男色だとの悪評もあり、次第にルイから寵愛を失いつつあった。フランスオペラの集大成を作ると約束してルイの寵愛を取り戻すところが彼の望み。そのためには喜劇を合作し続けたモリエールをも裏切ることになった。

 ラストの死に際までかなりあっさりと描かれていたけど、オペラが成功した割には愛人以外誰も友人がいなかったという虚しさが伝わってきます・・・

 冒頭シーンに成功したリュリが「国王のテ・デウム」を指揮するシーンがあり、国王の席を用意したのに来なかった・・・そして足を切断しなければならない苦痛のシーン。この史実を知らないとさっぱりわからないぞ・・・で、来なかったのか?

kossy