劇場公開日 1954年4月15日

「甘えの構造」私は告白する jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5甘えの構造

2019年9月14日
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映画の舞台、カナダ ケベック州は 宗教心のあつい地域らしく、疑いをかけられたカトリックの神父に対する市民の怒りに それが見て取れる

そんな地域に移住したドイツ人ケラーが、
コミュニティーに馴染めず、だんだん被害者意識をつのらせ、神父にまで ねじれた感情を抱いてゆく
「心理劇」である
O.E.ハッセが 不気味な存在感…

彼の場合、宗教が 生きる為(処世術)のツールの方に傾いていて、「告解」で 罪悪感を軽減した上で、神父を監視し、果ては彼に罪を被せるのである

唯一の理解者である神父を 試しているような
甘えの感情も存在する
ここが 自律を要求してくる 新教(プロテスタント)との違い、かもしれない

モンゴメリー・クリフトが 試される神父を好演しているが、ヒッチコックの作品にしては 重いかも
でも、彼の繊細さが 監督達に愛されるのは わかります

jarinkochie