私の20世紀のレビュー・感想・評価
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ファンタジックで可愛らしい。この特殊なタッチに、ハマる人はとことん魅了されるはず
『心と体と』で観客を魅了した女性監督イルディコー・エニェディが89年に発表した作品。レンタル屋の取り扱いがなく、ずっと観たかった私にとって、この4Kリストア版の公開は願ってもない機会である。
モノクロームの映像世界にエジソンの電球が優しい灯りをともす。空には星たちが瞬く。この繊細でメルヘンチックな手触りに、胸の中でこれまで感じたことのない喜びとくすぐったさが微笑した。そしていざ時代が20世紀を迎える瞬間、生き別れた双子の姉妹が同じ駅で、それぞれ上り下りの別々の列車に乗って運命を交錯させる描写もまた、独特の映像感覚で楽しませる。
かと思えば驚くほどセクシャルな場面が盛り込まれたり、また『心と体と』にも通じる動物たちの可愛らしいシーンが登場したりも。まるで、いつか見た夢。ノスタルジックでファンタジックでところどころドギツくて、しかし一週間経ってもなんだか忘れがたい。そんな夢。そんな作品だ。
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おとぎ話の絵本みたいに、予兆を感じないフワリとした展開も、美しい映...
おとぎ話の絵本みたいに、予兆を感じないフワリとした展開も、美しい映像も、大切にしまってあった宝物箱を久しぶりに開けた様な不思議な感覚。なつかしく愛おしい。
突然に出てくるロバの歩調がぴったりとくるゆったりな流れと軽快な音楽。ロバと共に私たちも夢の中へ導かれて行く。
他人の夢に入り込みいろいろなドアを開けて行く感じ、古めかしいのにバーチャルな体験だった。
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