わが青春のマリアンヌのレビュー・感想・評価
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監督ジュリアン・デュビビエが、日本では69年に公開された「さすら...
監督ジュリアン・デュビビエが、日本では69年に公開された「さすらいの青春」の原作、フルニエの「モーヌの大将」の映画化を熱望していたが、遺族の許可を得ることが出来ず断念しました。その芸術的インスピレーションを実現するために、似た設定のこの原作を映画化することになったそうです。
ドイツ語版の主役は「荒野の七人」のホルスト・ブッフホルツが演じました。「野ばら」に出演している子役ミハエル・アンデも寄宿舎のシーンに出ています。
テレビで見たので、カットもされていたと思いますが、夢とも現実ともつかぬ、幻想的なストーリーと映像に魅了されました。個人的にはヒロイン、マリアンヌ・ホルトが、ちょっとごつすぎるように思いましたが表情は魅力的でした。青春期の淡くはかない恋へのあこがれが、郷愁をこめて描かれています。
青春の日々を思い出す
うん十年前の中学時代。夏休みの昼間にテレビで見た記憶が強烈。結構すぐに再放送がありまた見ました。
こんな気分が理解できるお年頃になってたんですね。
数年後、古本で原作(日本語訳)を入手したものの読んでいない。
いつ読もうか。
青春の悲愁~わが生涯の最良の一篇
ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の過ぎし青春へのノスタルジーであり他に類例をみない詩情あふれる青春映画だ。
まず舞台設定からして素晴らしい。霧に包まれた深い森、湖、古い館・・・。そのほとりの寄宿舎に教育を共にする多感な思春期の少年達の一団が住んでいる。彼らは湖の向こう岸に立つ「幽霊屋敷」と呼んでいる古い館にボートで乗り込む。だが大きな犬2匹に襲いかかられ早々に退散。ひとりヴァンサンだけが残され暗い館に入ることが出来る。そこで美しい乙女マリアンヌに出会う。二人はたちまち恋に落ちる・・・前世から約束されていたかの様に。
この出会いのシーンは素晴らしいの一語に尽きる。これ程までに女性を美化し神秘化し理想化して描写した例をわたしは知らない。しばし現実を忘れさせ陶酔させられる至福のときである。
しかしやがて二人の間は引き裂かれてしまう。マリアンヌを幽閉状態から救出するために湖を泳いで渡ろうという命がけの挙にでるヴァンサンであるがその目的は果たせない。
やがて別れ、旅立ちのときが来る。それは永遠にマリアンヌの面影を求めての果てしない旅なのだろうか・・・。
母への思慕と美しいマリアンヌへの憧れのだぶった夢多き青春の心情が甘美に描かれている。
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