若草物語(1949)のレビュー・感想・評価
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94年版のTV放映が切っ掛けで感動の再鑑賞に…
94年版「若草物語」がTV放映されたのを機に、
その前にと、
このマーヴィン・ルロイ版を先に再鑑賞。
ルロイ監督作品としては
「哀愁」「心の旅路」「クォ・ヴァディス」
が印象深いが、
別の同名作品を観る機会がなかったら
この作品の再鑑賞はなかったかも知れない。
この作品、善人だけの登場人物による
お互いへの思いやりに包まれた設定だが、
紆余曲折の後に幸福が訪れる展開に
心地良い感動を覚える、
前回よりも印象深い再鑑賞となった。
その“善人しか登場しない”という意味では
46年に日本公開され、
キネマ旬報ベストテン1位に選出された
「我が道を往く」を思い出す。
私としては「我が道…」の都合の良すぎる展開
に抵抗感があったのだが、
ほぼ同じ要素のこちらの作品の方が
スンナリと感動出来たのは、
優しさを自然に醸し出す女性のムードと
原作の力だったろうか。
年齢を重ねて如実に涙もろくなっているが、
この作品でも、あたかも「戦争と平和」の
ピエールのナターシャへの告白を思い出す
ようなラストシーン等々、
こちらも幸福感に充たされ
随分と目頭を熱くした。
男兄弟だけで育った身としては、
この作品でも姉妹の、そして母娘の、
男性同士では真似出来ない
特別な絆を見せつけられてしまった。
尚、この作品が日本公開された時の
姉妹役女優の実年齢は、
長女22才
次女32才
三女17才
四女12才
だ。なんと
次女役のジューン・アリソンの方が
長女役のジャネット・リーよりも
実年齢は10才も年上だ。
ハリウッド映画では古い作品ほど、
主要なキャストで
30代の女優が10代の女性を演じるケースが
多いイメージだが、
この作品でも次女が主人公であることから、
ジューン・アリソンの演技力を重視しての
配役だったのだろうが、
何らの不自然さも感じなかった。
次は、94年版「若草物事」だ。
また、同じ感動、あるいは別の感動を
与えてくれるだろうか。
あったかいドラマ
主人公を中心とした4人姉妹のそれぞれの人生は興味津々。落としどころのエンディングではあったが、あったまる映画だった。
1949年製作で日本公開年は調べていないが、ベッドでケーキを食べてそのまま眠りにつくなんて、当時の日本人なら仰天の夢のようなシーンだったはずだ。食をうらやむ時代でなく、虫歯を意識する感覚の時代で良かった。
One for me
オープニングタイトルの刺繍からその世界に誘われる。セットの中で行われるお芝居は、その時代を感じさせるが、舞台劇を観ているようでもあり、現代においては演出として効果を持つ。生活が苦しいことを示す薄汚れた感じや、とはいえ寂れた感はなく、ひとつひとつの調度品や服装は、愛情深い家族に大事にされているに違いなく、それぞれのカットが多幸感溢れる絵画のように映る。
ストーリー全体のバランスからするとジョーが旅立った後の話にもう少し尺を与えても良さそうであるが、前半の四者四様の描きこみ方あって、家族の有り様が変化した後半における愛おしさがひとしお。同じ4姉妹の海街diaryもそうであったが、いつまでも続くわけではない家族の貴重な時間をおさめる。
家族とコミュニティの強さは古き良きアメリカで、現在では隔世の感はあり。しかし、古い映画を選んでいるのだから、それに浸るのも良い。その古い舞台設定ながら女性活躍を志向する主人公ジョーの姿は、我々の世代を育てた、上の世代の女性の心を動かしたに相違ないなどと思っていると、タイムマシンの載せられたような気持ちにもさせてくれる。
グレタガーウィックがどう取り組むか、期待が高まる。メリルストリープがマーチ叔母さんとは、想像するだに楽しみ。
みんな素敵
4姉妹、家族、親類やご近所、愛する人、みんながそれぞれ支えあい助けあいながら力強く生きていく姿に感動します。
個性的な4姉妹それぞれを演じた女優陣がみんな素敵(特にベスが可愛い)。
とてもいい映画です。
世界名作劇場でしか観たことなかった(知ってる人は同年代)ので、実写...
世界名作劇場でしか観たことなかった(知ってる人は同年代)ので、実写版若草物語はこの作品が初となる。
ジョーが長女でエイミー、メグ、ベスの順番になってるけど、アニメではジョーは次女だったような??と調べてみたら、アニメではメグ、ジョー、ベス、エイミーの順番だった模様。なぜ姉妹の順番変えたのかな?不思議。
若き日のエリザベステイラー、お美しい。
楽しみにしていた新しいLittleWomenが 公開延期になったか...
楽しみにしていた新しいLittleWomenが
公開延期になったから昔のものから
と思って観賞!
4姉妹 それぞれ個性があって喧嘩もあるけど、
お母さんの為にプレゼント用意したり
裕福ではないけど知り合いの子供に
ご飯をわけてあげたりとても優しい家族。
飾らずに正直に生きてるジョーは
キツく見えるけどかっこいい!
でもそんなジョーがドレスを焼いちゃって
おしりだけ違う布になってるのが
お茶目で可愛らしかった!
心が温まります
古き良きアメリカの清く正しい姿がここにあります
我々日本人にも大いに共感できる善良な人々
米国も日本も70年近い年月が流れ
遥かに遠くに来てしまった
失われた楽園
少しでも思い出して、それぞれの身近でこの映画のような心の温まる関係を作りたいと願うばかりです
1949年なりの若草物語
総合65点 ( ストーリー:75点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )
1949年にこの時代にしてはかなり鮮やかな天然色で制作されたのは素晴らしいと思うが、1994年版を先に観てしまった後だといろんな部分で何かと古さを感じる。せっかくの天然色での撮影なのに、登場人物たちが家の周囲や庭で話す場面も、本物ではなく撮影スタジオの作り物の庭だというのがわかって質感が下がる。演技も舞台演劇のような科白回しで、役者たちが自然な動きをしているという感じがしない。一つ一つの事柄が簡単に進みすぎて、演出上の深みがないままにあっさりと早く過ぎていきすぎる。だから同じ場面を観ても、受ける印象の深さが異なる。この時代としては健闘しているが、やはりこの時代なりの作品。
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