「転落する元専務のシーンだけがしょぼく口惜しい」ロボコップ(1987) 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
転落する元専務のシーンだけがしょぼく口惜しい
過去何度も鑑賞
87年の作品
『猿の惑星』『スターウォーズ』『トータルリコール』『バックトゥザフューチャー』と共に永遠に残したいアメリカのSF映画ベスト5のうちのひとつ(あくまで個人の感想です)
一番最初に『ロ』がつく名画といえばという質問にリンカーンのメンバーは『ロッキー』とか『ローマの休日』と答えたが俺は違う
迷わず『ロボコップ』と即答だ
『ロッキー』なんて落ちぶれたプロボクサーが一念発起してチャンピオンを目指すだけの話だし『ローマの休日』に至ってはとある国の王女がアメリカの新聞記者と一緒にローマ観光するだけの話じゃないか
その点で『ロボコップ』は全く違う
ロボコップに比べたらマーベルヒーローなんてどいつこいつもイモだね
農業祭のマスコット程度の代物だよ
ロボコップがもし公開されなかったら吹越満のロボット演芸は生まれているわけがなく広田レオナとの結婚も娘の誕生もなかったかもしれない
この映画のせいでデトロイトは治安が悪いというイメージがついた
実際に治安が悪いのかもしれないが
それでもせいぜい日本でいうと尼崎程度だろう
ただデトロイトにはロボコップがいるが尼崎はせいぜいちっちゃいおっさん
ちっちゃいおっさんでは治安を守ることなど期待できずその差は大きい
監督は『トータルリコール』『氷の微笑』のポール・バーホーベン
脚本は『スターシップ・トゥルーパーズ』『アナコンダ2』のエドワード・ニューマイヤーと『アナコンダ2』のマイケル・マイナー
舞台は近未来のデトロイト
警察は巨大軍事企業オムニ社の傘下になっていた
人間に代わって食わず眠らず24時間働ける警察官開発を進めていたオムニ社は殉職した警察官の遺体のベースにロボット警察官『ロボコップ』を誕生させた
銃の腕前は超一流で女性を盾にして背後にいる悪党に対し女性のスカートを撃ち抜き野郎の股間に命中するシーンはお見事
性犯罪の常習犯は現行犯なら日本の警察もこのくらいやった方が良い
低予算らしいがそれでも14億円
全体的には特別低予算だと感じないデキだがジョーンズ専務が銃で撃たれビルから地上に転落するシーンだけはいただけない
あのシーンだけ別人の素人が監督をやったとしか思えないチープさ
全体的に残虐シーンが多い
それを思えば残虐超人なんてまるで子供騙し
ブロッケンマンの毒ガス攻撃だってただただ口臭がきついだけと解釈できるし
マーフィーの殉職シーンではまず右手が銃で吹き飛ばされるわけだが原作の『寄生獣』でも似たような場面がある
原作者はこの映画にインスパイアされたのだろうか
ロボコップ自身が自分は犯罪グループに殺された警察官マーフィーだと自覚する経緯が悲しい
『ED209』が階段をうまくおりることができず転げ落ちて起き上がることができないシーン好き
相棒のルイスが背後にまわり標準合わせの手伝いをするシーンがある
標的は赤ちゃんのイラストが描かれたベビーフードの缶
監督曰くロボコップになったマーフィーは子供を作れないという意味があるらしい
子供の頃はわからなかったがこの作品はこれに限らず意外と深い
鉄工場の最終決戦で悪党が廃液タンクに突っ込みドロドロに溶けてしまうシーンは強く記憶に残っていた
近未来のニュースで対長距離ミサイル防衛システムによって宇宙から誤ってレーザーがアメリカの住宅地に発射され元大統領夫妻含む多くの人命を失うという風刺が聞いた秀逸コメディー
これはどう見てもスターウォーズ計画であり元大統領夫妻はドナルド・レーガンとナンシー夫人のことで間違いない
ウーマン村本やぜんじろうにもこのくらいのユーモアがあれば良いのだが
マーフィーは終盤以外マスクをつけ口から顎にかけて剥き出しになっている
なぜ人体の部分を残しているのか疑問だが
デザイン的には好き
口元がセクシー
キスしたくなる
ラストシーンで社長に名前を聞かれ「マーフィー」と答えたときのにっこりとした表情が良い
ちなみに警察の更衣室は男女共用
冒頭オッパイ出してる警察官がいた
こんな場面あったっけ
すっかり忘れていた
自分はどちらかというとスケベだと思うがこの程度ではたいしたことないな
そんなこと言っちゃったらロボコップだって、ただ死んでロボットにされた警官の話じゃないですか!
自分もロならロボコップが一番好きです。
あのテーマを聴くと今でも太ももからオート9を取り出したくなる。