「ジュラ目当てなら充分楽しめる」ロスト・ワールド ジュラシック・パーク ecruさんの映画レビュー(感想・評価)
ジュラ目当てなら充分楽しめる
酷評が目立つ2作目だが、恐竜の描写、種類、迫力に関してだけは、前作に引けを取らない。
しかしながら、映画としての出来につながるストーリーの辻褄、整合性のない行動を連発するキャラクターたちが魅力に欠け、それがさらにストーリーの陳腐さに繋がるという悪循環となったように思う。
それが1番目立ったのがサラ役のジュリアンムーア。好きな役者なだけにこの脚本でよく引き受けたなと残念でならない。学者とは思えない行動の数々。自身の軽はずみな行いのせいでどれだけの犠牲者を出した事か。ロープを必死に繋いで3人を助けようとした学者もサラがベイビーを連れて来なければ無駄死にしなかった。彼を殺したのはサラとカメラマンだ。血のついたジャケットを平気で干したり、本当に学者なの?子供でもわかるわ!とにかくストーリーに整合性がない。
マルコムも自身のキャラが全く生きていなく、数学者としての知識も全然生かされていない。娘も違和感しかなかった。黒人がダメなのではなく、あの子に全く魅力が無かったし、役の設定も酷くてさらに魅力の無さに上積みされたようだ。登場人物たちの多様性を入れたくて黒人の女の子を無理矢理ぶち込んだ感満載。前作ではサミュエルがいい味出していたし、黒人のいい俳優がいくらでもいるのに。利口で可愛いお姫様とか言われるたび違和感で立ち止まる。バカで考えなしで無責任で我儘、とその度心で声に出してしまう。勝手について来ておいてヤダとか帰りたいとか泣くんじゃねぇ、バカ。
主役グループ達の勝手で無知な行いによりパニック映画となったことが、この映画を陳腐な作品に貶めてしまった。スピルバーグほどの人が何故こんな脚本で良しとしたのか甚だ疑問だ。活躍した恐竜たちに謝れ。
