「オードリーが世界を魅了した瞬間」ローマの休日 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)
オードリーが世界を魅了した瞬間
名前くらいは観たことある人は沢山いるでしょうが
実際に映画館で観たことのある人は
昨今は少ないかもしれません。
第二次世界大戦が収束してほぼ10年になる頃、
ヨーロッパで一番古い王室の若きアン王女は
ヨーロッパ各地を表敬訪問する中、いくつ目かの国
ローマに到着し、歓迎の舞踏会に出席するところから
お話は始まります。
毎日分刻みのスケジュールに追われて
すっかりやる気の無いアン王女は、注目の集まる中
とんでもないことをヤラカシてしまうのですが…。
この始まりのコミカルなこと!!
楽しい楽しい!!
モノクロ映画なのに、オードリーの笑顔のアップ一発で
色の無いことなんか忘れさせてしまうそのオーラの鮮やかさ!
オードリーが世界を魅了した瞬間!!
古い映画だからダルいかも?
なんて思ってるそこのあなた!!
いますぐ上映中の映画館へ行きなさい!!
この映画を観て無いなんて、人生の損失です!!
で、月に8回ほど映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
いつもお話しを参考にしている映画評論家の
町山智浩氏の情報の受け売りですが
「ローマの休日」のヒロイン、アン王女は
何のためにヨーロッパを歴訪しているのか?
ローマの休日が作られたのは1953年。
第二次世界大戦が終わって10年になろうかと言う頃。
戦争で傷付いたヨーロッパ各国は戦争を乗り越え
結束を高めようとしていた時期です。
そのために、若くて美しいお姫様が各国を訪問することで
相互に理解を深めようとしたのです。
映画内の架空の設定ですが実際にヨーロッパでは
その様な機運があった時代です。
映画の中の若くてまだ子供っぽいアン王女は
その大事な役目がしっかりと理解できていなかった。
そんなお姫様の成長の過程を丁寧にコミカルに描くことで
最後に大きな感動が押し寄せる。
記者会見のシーンの見事なこと。
ラストのラスト、ある人物が溢れる思いを込めて
長い長い宮殿の回廊を歩く姿は
何度観ても涙してしまいます。
今回の4Kレストア版の公開タイミングで
新しい声優さんによる日本語吹き替え版が公開されて
初めて観る方が増えているそうで、
この映画を生涯ベストに入れてる私は嬉しい事この上なしです。
もう何回この映画を観たのか覚えていないくらいですが
2019年に
「ローマの休日 製作50周年記念デジタル・ニューマスター版」
を、久しぶりの劇場鑑賞後に投稿した記事が
今回の4Kレストア版の公開タイミングで
丸っと無くなってたので、再投稿しておきます。