「愛するからこそ離れる二人」ローマの休日 おちゃさんの映画レビュー(感想・評価)
愛するからこそ離れる二人
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①スクープをものにするか?二人は恋に落ちるか?というQ&Aで引き込む。
②王女は束縛された日々に嫌気が差し自由になりたい。お忍びで自由に街を歩くことができ楽しかった。しかし、公務を放棄したせいで平和な街に住む人々に不安を与えていることを知る。自分の公務が憧れていた生活を支えていたのだ。彼女は気持ちにけじめをつけて王宮へ帰っていく。もうわがままは言わない、その代わり自分の意見を言う。主体性のある姿がそこにはあった。
③ブラッドレー記者は、お忍びで街に出たアン王女と同じ時間を過ごしてスクープ写真をものにしたが、破棄してしまった。それはアン王女の苦悩を思ってのこと。彼女の美しい記憶を下世話に汚すことが憚られたためだ。二人は決して結ばれる事がないと解っている。お互いを愛するからこそ駆け落ちするのではなく、愛するからこそ元の鞘に収まったのだ。ブラッドレーは最後、余韻に浸りながら王宮を後にする。王女と過ごした日に未練を感じながら、しかしこれでよかったのだと自分に言い聞かせているかのようだった。
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