劇場公開日 1962年7月7日

ローマの哀愁のレビュー・感想・評価

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4.0ゴンザレス伯爵夫人

2020年2月29日
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戦後のローマで暮らすアメリカ人
街は美術館みたいだし、若く美しい案内人(愛人)を調達したりする

いろんな対比のある原作だが、戦後のアメリカとイタリアの関係も示唆されている

ポン引きと化した伯爵夫人(ロッテ・レーニア)とマルケッタのパオロ(ベイティ)の醜悪
肩書きや若さや歴史もブランド化して 春をひさぎ、金を巻き上げるというビジネスモデル…

アメリカ人の原作者テネシー・ウィリアムズの目線は厳しい
同胞は被害者ではないのか?
孤独なアメリカ人の転落も誘う ローマの闇
彼の原作映画は 人間の暗部をえぐり、見ていて辛いが、アメリカ人の花畑思考に警鐘を鳴らしている
「終着駅」「ベニスに死す」等はイタリアの巨匠がこのあたりにフタをして美しく昇華させ、観光業に貢献した作品なのかもしれない

後ろ楯(夫)を失い、仕事を辞め、空っぽになった
美しく、儚い「被害者カレン」を リーが演じている
衣装はピエール・バルマンで とてもエレガント

批評家達に こっぴどくやられる部分は リーの実像に重なるが、原作者はカレンに自分を投影している
彼の晩年は もっと酷い
1983年には ニューヨークのホテルで 薬のキャップか何かを喉に詰まらせて死亡
(殺害も囁かれている)

三島由紀夫とも親交があったらしいが、彼等の透視能力とも呼べそうな 鋭敏な感覚にも驚かされる

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jarinkochie