「産む道具」ローズマリーの赤ちゃん ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
産む道具
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ローズマリーの妄想なのか現実なのかをラストまで明かさなかった(分からなかった)ので、捉え方によってはホラー映画にも女性映画にもなります。私が感じたのはやはり後者。
女性は産む、産まない、産めないといった妊娠に纏わるプレッシャーがあります。妊娠中は体調の変化で大変です。無事に出産が終わるかどうか、生まれてきた子供に障害があるかどうか、怪我をさせたらいけない、病気にしてはいけない、優秀に育てなくてはいけない等、日々様々な方面からのプレッシャーがあるのだと思います。
女性はそんな大変な思いをして出産したとしても、例えば本作の様に悪魔教のコミュニティを持続させる為に子供を盗られてしまったりするのです。私は悪魔教のコミュニティは人間社会のメタファーだと思いました。古来から個人より社会(村)を優先させてきたことを改めて突きつけられたようです。
子供を神様の生贄に捧げたり、戦地に送り出すのも同じ思想ですよね。もっとも、貧しい時代には自分の子供を殺したり売ったりするのが当たり前だったので、ローズマリーの恐怖は近代化で出生率が減少し裕福になった故とも言えます。と言っても、彼女の辛さは良く分かります。
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