レニー・ブルース

劇場公開日:

解説

1950年代から60年前半のアメリカ・ショー・ビジネス界に生きた異端児レニー・ブルースの生涯を描く。製作総指揮はデイヴィッド・V・ピッカー、製作マーヴィン・ワース、監督は「キャバレー」のボブ・フォッシー、脚本はジュリアン・バリー、撮影はブルース・サーティーズ、衣装はアルバート・ウォルスキー、音楽監督はラルフ・バーンズ、編集はアラン・ハイムが各々担当。出演はダスティン・ホフマン、ヴァレリー・ペリン、ジャン・マイナー、スタンリー・ベック、ゲーリー・モートン、ガイ・レニーなど。日本語版監修は高瀬鎮夫。モノクロ、ビスタサイズ。1974年作品。

1974年製作/111分/アメリカ
原題または英題:Lenny
配給:ユナイト映画
劇場公開日:1975年10月25日

ストーリー

1951年、メリーランド州ボルチモア。ストリッパー、ハニー・ハーロウ(ヴァレリ ー・ペイン)と駆け出しの芸人レニー・ブルース(ダスティン・ホフマン)が結婚し、二人で組んで仕事をする決心をした。レニーのエージェント、アーティ(スタンリー・ベック)や母親サリー・マー(ジャン・マイナー)の反対も若い二人の耳には入らなかった。だが、予想以上に客の反応は鈍く、二人は仕方なくロサンゼルスに向かった。同時に麻薬を常用し始め、ハニーは再びストリッパーに、レニーはどんな仕事にも食いついた。二人の関係がすさみ始めたとき、ハニーが妊娠、55年に娘のキティが生まれた。この頃から、レニーの芸はみだらで苦みのあるものに変わっていった57年に二人は離婚、キティはレニーが引き取ることになった。間もなくハニーはハワイで破産、麻薬取締法違反で2年の刑を宣告された。一方、二流クラブでのレニーの芸は更に苦しみを増し、独特のものに昇華していった。ルーズベルト夫人、アイク、ニクソン、ローマ法王を痛烈な“4の字言葉”で彼の政治的・社会的風刺芸は人間社会の偽善性を暴くものとして、やんやの喝采で受け入れられた。彼は一躍人気者になり、堂々たるスターだった。1961年、サンフランシスコの地下クラブで演技するレニーを刑事たちがじっと見つめていた。ある夜、彼はワイセツ罪で逮捕されたが、取調べの結果無罪になった。それ以来、レニーは単なるコミック芸人ではなくなっていた。裁判の模様までも芸にした彼は、猛然と法律を勉強し始めていた。学校され満足に出ていないこの36歳の男は俄に“法律家”になったのだ。1962年、シカゴ。レインコートとくつ下片方といういで立ちで、とりとめのない芸を演じるレニーに、聴衆の反応は冷たかった。すでに胸を犯されていたレニーは再び逮捕され、ニューヨークの法廷に立つことになった。アーティやサリーの意義申し立ても、無駄だった。警察側はレニーの演技のジェスチャーも交えて厳しい追求を行なった。必死に防戦するレニー。第一審で有罪が決まっていることを理由に、これ以上の抗議は望みうすと判断する弁護士。しかしレニーはおさまらなかった。偽善をおし隠そうとする権力の圧迫に彼は耐えられなかったのだ。法廷侮辱罪に問われながらも即決を要求するレニー。判決は有罪だった。レニー大声でわめき散らしながら護送される。1966年のある夏の夜、ハリウッド。ポリス・カー、救急車、マスコミ関係、野次馬らがレニーの家の周りに群がっていた。腕に注射の跡を残したレニー・ブルースの素裸の死体がバスルームから発見されたのだ。(ユナイト映画配給1時間51分)

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第32回 ゴールデングローブ賞(1975年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) ダスティン・ホフマン
最優秀主演女優賞(ドラマ) バレリー・ペリン
最優秀監督賞 ボブ・フォッシー
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映画レビュー

3.5フォッシーのセンスとホフマンの迫真の演技。アメリカ文化の黒歴史を暴...

2024年7月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

フォッシーのセンスとホフマンの迫真の演技。アメリカ文化の黒歴史を暴く衝撃的なストーリー。こんなにも表現の自由が踏みにじられる時代があったのだ。

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mini

2.5真面目過ぎた

2023年7月14日
PCから投稿

ホフマン選手の演技は神がかりですが、大体この人はいつも神がかりです。
演出も的確でインタビューと回想と現実のバランスも絶妙、モノクロを効果的に利用しています。
テーマも明解で、何を訴えたいのかもよくわかります。

しかし、脚本はドラマチックでサスペンスフルなのに、演出が真面目過ぎて、実に面白くない。もう少し丁寧に言えばワクワクしない。2時間弱を何度中断したことか。

コメディアンの話ですが、テーマが重いので全体に暗くて陰鬱な空気で終始します。

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越後屋

4.5猥褻とは?

2021年10月30日
Androidアプリから投稿

フォッシーの「オール・ザット・ジャズ」(1979) が
舞台の演出/振付と この映画の編集に忙殺される
彼自身を描いているようなので興味を持った

〈表現の自由〉というのがテーマだが
スタンダップコメディアンとしてそれと闘い始める
レニー・ブルースよりもハニー・ブルース役の
ヴァレリー・ペリンに目が釘付けになってしまった

母親もブロードウェイのダンサーで
そのキャリアのはじめには
ラスベガスでトップレスダンサーもやった彼女の
リアルなストリップシーンとその生活感の表現
(カンヌ国際映画祭最優秀女優賞受賞)
(モデルもやっていたくらいだから 足もながーい)
さすがフォッシー、見てるとこは見てる…

言語では猥褻と攻撃されたが、ダンスやその振付で
猥褻と批判されることはあるのだろうか?
少なくとも ストリップでは皆、嬉しそう

レニー・ブルースは言葉で物事のストリップをして
本質に迫ろうとしていたのでは?

ダスティ・ホフマンもいい感じ
でもペリンの体当たり演技に食われたかも
言論について考えようと思ったが、ちょっと頭から飛んでしまった

この映画は興行成績は良かったが 批評家は賛否両論だったらしく
「オール… 」では振付師の体調悪化を招く(笑)

悪くないと思うけど…

アメリカでは気に入らない相手を訴えて その弁護士費用で潰していく
というやり方があるのだな… と思った
誰か大物の心証を害したのだろうか?
冒頭の性病の話あたりも地雷原のような気がする

ストリップクラブできちんと並んで鑑賞する
背広姿の東洋人の団体は
日本の商社マンか何か、か?(笑)

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jarinkochie

4.0生き辛い時代

2018年1月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

携わった人々がインタビュー形式でレニーを語る映像を挟み込みレニーの新人時代からの人生と絶頂期?のステージと人生を終えるまで。

彼が苦闘しなければならなかった事は時代が変われば何ら問題の無い現実が虚しい。

別に社会に対して抵抗するためにステージに立っていた訳では無かった全ては生活の為、成功する為にが時代は許さない。

コメンテーターまがいの芸人が多い今の日本に彼のような人生は歩めないだろうし精々Twitterで揉める程度。

レニー・ブルースに関して勉強不足ではあるがD・ホフマンの存在感にヤッパり格好良いなぁ。

アメリカの古き良き時代のジャズが流れるクラブで喋り倒すレニーがまたCOOL!!

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万年 東一