レニのレビュー・感想・評価
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時代に翻弄された優秀にして悲劇の映画作家
ずーっと観たいと願い続けたドキュメンタリーを、アマプラで観れたことは、とても幸運に思う。
特に知りたかったのは、1935年のナチの党大会を描いた「意思の勝利」と、ベルリンオリンピックを描いた36年の「オリンピア」。
ナチへの関与における言質を求めて問い詰めるも、自らが関わってしまった現実をみつめつつ、取り乱すことはあれど、しっかりと当時を振り返り否定しつつも、シンプルに作り込まれたストーリーのようにも思えた。
ただ、観続けていると彼女の作家としての純粋さや飽くなき探究心に徐々に次第に引き込まれる。ヌバ族の作品は「オリンピア」のルーツとも言えるだろうし、名声も批判も聞こえない海中の世界に夢中に身を投じる姿にも。
批判と共に生きた人生は如何許りかと察するに余りある。
彼女には現在起こっているヨーロッパの出来事で反省してもらいたかった
彼女には現在起こっているヨーロッパの出来事で反省してもらいたかった。昔の事はどんなに弁解しても仕方ない。しかし、現在もナチは存在する。大なり小なり、ヒトラーの存在はそういった勢力には影響を与えている。
彼女はただのナルシストなのだろうと思う。また、美しさを自分の価値観だけで判断している。また、会話を聞く中でプライドがものすごく高いと思った。
才能はあったのだろうが、ナチスによって曲げられ、結局は駄目になっていった人物と僕は見る。この当時も白人優先主義は持っていたと考えられる。
しかし、映像に対する考えは大変にしっかりした哲学を持っていると思う。女性だけにもったいない逸材なのだろうと思う。
超貴重な映像集!!映画の歴史とその功罪!
映画の歴史における非常に価値のある資料だと思います。
そしてレニ監督のなした事とその功罪について
良いとも悪いとも断ずる事なく描いています。
監督の発言や登場する人物の発言や言動、
それぞれに真実と嘘があり、それを見極める事は
非常に難しいですが、そこにこそ真実がある
と思わされました。
罪の意識に捕らわれた後、生きていく為には
嘘の記憶や理由付けを自分自身の中で行う事でしか
生き続ける事が出来ないものだと思います。
全ての人が大なり小なり、そういう自分の中での
記憶改変、記憶消失を無意識に行っている
と思います。そうしなければ罪の意識から自殺に至るしかないのでしょう。
そういう事を除いても、映像記録集として非常に価値の高い作品だと思います。
映画を愛するなら是非一見を!^ ^
中立性を保ちながらのインタビュー。貴重な映像も見られ、2部構成なが...
中立性を保ちながらのインタビュー。貴重な映像も見られ、2部構成ながら最後まで中弛みする事のない秀逸なドキュメンタリー映画だった。レニの才能と意志の強さに伴う行動力はすごい。だが本人が何と言おうとヒトラーの後ろ盾により莫大な費用を映画に注ぎ込みながら名声を得て時代を生き抜いたのは事実である。自分の世界を優先させる為に当時の現状を知らなかったのではなく見ようとしなかったのだと思った。
戦火が激しく多くのユダヤ人達が虐殺される中、チロルで収容所の人を集めて映画撮影もしていた。戦後、非難に晒されるのは当然の事だったと思う。
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