レナードの朝のレビュー・感想・評価
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心情まで忠実な実話に基づく作品
ロビンウィリアムズが大好きなので鑑賞した作品。自分のためが微塵もない、患者のための優しさがにじみ出ている役。でも驚いたのはロバートデニーロが若っ、演技も上手っ!ということ。物心ついた時にはマフィア役の似合う大御所だったが、そうなるのは当たり前だとこれを見て思う。アルパチーノのセントオブウーマンでの全盲の演技といい、往年スターの凄さはすさまじい。
病歴に脳炎があり今まで特定のものへの反応しか見せず石のようだった患者達が蘇ると、一人一人、世俗的だったり妻命だったり歌が好きだったり、生き方も性格もそれぞれ全く異なるごく普通の、時には悪いところもある人間で、障害者は無垢で純粋という希望を持ちがちだったり、同じ症状でくくってしまいがちな健常者の先入観に気づかされる。レナードが動き出すと、石のようだった期間にもセイヤー医師や看護師の言葉をちゃんと聞き覚えていたり、1人の人間として機能している事を深く心に留めさせられる。患者達が一気に蘇るシーンは、勝手にもっと騒がしくスリラーのようになるかと予想したが、実際の映像はとても幻想的で優しくあたたかい空気に満ちていて、美しかった。上司役以外はセイヤー医師の奮闘に刺激されて院内での働きぶりが変わったり、患者のために心を込めてお世話をしていて、このようなあたたかさが画面を通しても伝わってくるのは、本当に理解が深い製作陣だからなのだと感じた。
進んだかに見えた治療効果による劇的な改善が、かえって病気が人から奪っていたものを浮き彫りにする。良くなったら、良くなった時を知ってしまったが故に、また失う事への不安に襲われたり、子供の頃の発症から数十年石のようになった我が子を介護していた母親は、目覚めて中年に差し掛かった息子の女性への興味や独立心に困惑する。どうなっても問題や懸念がある、病気の一筋縄ではいかない難しさ、病状変化に伴う、登場人物それぞれの葛藤が心を揺さぶり、重く考えさせられる作品。
途中で薬が効かなくなっていくシーンで流れる音楽が人魚姫に似ていて、夢のような一瞬の儚さや物悲しさがよく表れているなぁと感心した。
普通の幸せに気がつかせてくれる
投薬で30年ぶりに脳炎から目覚めたレナードと、完治に向けて努力する精神科医セイヤー。一時、完全と言えるほど回復したレナードは、普通の人と同じような自由を主張するも徐々に薬が効かなくなっていく。
何気なく生きている中に存在する幸せに気がつかせてくれる、実話を基にした話。
ロバートデニーロの演技は鳥肌モノ。
悔しいが泣いた
20代の頃観に行った作品で、ロビンウィリアムスとロバートデニーロの...
ロバート・デ・ニーロ‼︎
実話が元だから感動したとかとかじゃなく、単純に素晴らしい作品。
特にロバート・デ・ニーロの演技が凄いなと思いました。
もう、これが演技でやってるとは思えないレベルです。
主人公の不遇な環境の中での一時の幸せに、自然と笑顔が溢れたし、感動もしました。
子供時代のシーンをもう少し観てみたかったかな。
実話がもつ重さ
奇跡の現実
学べ。
久々に心を揺さぶられる作品に出会えた。
実際にこういう病気があるのだということを初めて知りました。
レナードが目を覚ましまた元の状態へと戻っていく時の中で先生に向かって「学べ」と言った言葉が心に染みました。
私の母は原因不明の病に犯され10年以上もの闘病生活の末、去年の今頃いなくなつてしまった。病名さえ担当医師が名付けてくれるというありさまで病院側も手探り状態でした。
亡くなるまでの間何度も手術を重ね言わば実験台状態。
母がよく言ってました。自分が病気にならなければ分からなかったことが沢山あった。家族、友達、健康のありがたさとかねって。
映画の内容と重なる部分があり号泣してしまいました。学ぶ、ということの大切さを忘れずに生きていかないと、と感じた映画でした。
質の高い作品だけど苦手
総合70点 ( ストーリー:75点|キャスト:85点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
無意識のときのレナードは瞬きひとつせず視線もうつろ。目覚めても長らく意識がなかった体は自由に動かず、本人の意識は11歳のときのままたどたどしく動き、日が経つにつれてだんだんと回復していく。そしてまただんだんと体が思うようにならなくなり、不安と恐怖と悲しみのうちに痙攣した体をなんとか動かす様子を演じるデ・ニーロが上手い。この映画の最大の見どころである。
しかし何十年も意識がなくて世間とも隔絶し、それが突然起こされてしまった後にまた意識をなくしていくという話はあまりに辛いものだ。恋する女性にもう会わないと言うのも苦渋の決断だろう。食堂で別れの踊りを踊る時は、短い人生の中で最高に美しくて幸せな瞬間であったかもしれない。実話を基にしているのだしそのようなことは実際に起きているのは理解しているが、人の無力を感じざる得ないし、観ていて虚無感や恐怖を感じてしまう。質の高い作品だけど、好きな話ではなかった。そのぶん総合評価は控えめです。
観てよかった。
命の目覚めは一瞬だったけれど。
レナード達の魂は確実に輝き、煌き、愛に触れ、幸せをもう一度知った。
事実に基づいた映画は元々好きですが、素晴らしい映画でした。
ロバート・デ・ニーロの演技が素晴らしい。
食堂で最後のダンスをする彼(レナード)は、止まらなかった痙攣がおさまり、静かに、静かに、鼓動を確かめるようにステップをふむ。
きっと再び眠っても忘れない、
あの瞬間はレナードの瞼の裏に焼き付いて離れない素晴らしい世界だったはず。
僅かでも目覚めさせ、そしてまた眠りに入る。
それは命を与えては奪うのと一緒なのかもしれない。
医師としての葛藤。
最後のビデオのシーンでは号泣せずにはいられません。
救う命、救われる命。
そこに絶対的な正解はないけれど「友人」に出会えた事で彼らの人生に優しい色が増えたのは確かだと思います。
眠りにつく最後の瞬間は、希望と感謝で満ち溢れていたと信じたいです。
決してハッピーエンドではないのに。
見方によっては残酷で、無念で、人間の限界を感じる映画なのに。
柔らかな気持ちになれました。
見終えた瞬間胸に手を当てて。
ドクドクして、当たり前のように動き続けている事がありがたくて仕方ない。
今この瞬間の命を大事にしたくなる。
泣くことも笑うことも切なくなることも、感じる全てが愛おしくなる。
医師の勇気と共に。
毎日を精一杯生きよう。
名作でした。
気付けば感動の渦中に
生きる喜びに改めて気づかされる映画でした
とある病院で実際にあったとても感動するストーリーです。涙が止まらない、というほどではありませんが、これが実話に基づいた話だと思うとすばらしいストーリーだと思います。
医師と患者という関係を超えたレナードと医師との心の通い合い、一時的に普通の人間の感情を取り戻した患者たちの喜びや苦しみ、それを取り巻く病院や家族などの環境、そして患者たちが教えてくれた大切なこと、それらのすべての要素が上手く描かれています。
この映画を見ると、自分が今健康に生きられているという当たり前のことが、とても幸福なことだということに改めて気づかされます。
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