劇場公開日 2025年1月3日

「三船敏郎から真田広之さんにわたされたバトン」レッド・サン あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0三船敏郎から真田広之さんにわたされたバトン

2025年1月10日
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レッドサン

1971年公開のサムライが登場する西部劇
1995年の岡本喜八監督のイースト・ミーツ・ウエストと企画が良く似ています
というか岡本喜八監督のその作品のほうが本作を下敷きにしていると思います
チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン、三船敏郎の世界三大スターが共演します
フランス・イタリア・スペイン・アメリカ共作の映画
日本は三船敏郎が出演するだけで出資や製作には関わっていません
それでも企画の最初の持ち込みは三船プロだそうです
ショーグンの50年以上前
オリジナルのショーグンよりも10年近い昔にショーグンの逆バージョンの映画が撮られていたのです
というか製作は全員欧米人ですからショーグンと同じです
なのに登場する日本人の侍もセットも衣装も小道具もなんちゃって日本ではないのです
恐らく三船敏郎がショーグンでの真田広之さんと同じ様な役割を果たされたのだとおもいます
恐らく衣装や小道具などなどは本人が日本から撮影現場に持ち込んだに違いありません
真田広之さんもそれを知っていたのでしょう
三船敏郎さんに負けないように恥じないようにやらなければという使命感があったのではないかと思います
三船敏郎から真田広之にわたされたバトンはしっかりと受け止められてハリウッドの地に半世紀の時を超えて花をさかせたのです

色々と有る突っ込みどころを指摘するのは野暮ってもん
普通に面白い映画です
日本に関係する部分を目を皿のようにして観て下さい
きっと真田広之さんもそうされたんだと思います
こんなことができるんだ
製作者でなくても出演俳優の立場でもあってもこれだけのことができるんだ
使命感があればやれる
三船敏郎さんはそれをやって見せてくれた
21世紀でも同じことを誰かがやらなければならないんだと本作から真田広之さんは感じとられたのだと思います
ショーグンが世界的大ヒットして様々な賞を総なめにしているいまこそ再評価されて観るべき映画と思います

蛇足
チャールズ・ブロンソンといえば
うーんマンダムのCM
あれは1970年のものなので本作の公開1年前のこと
大林宣彦監督が関わったそうです

あき240
オーウェンさんのコメント
2025年1月12日

お話は西部のならず者ガンマンと、日本の侍が反発しながらも最後は侍を認めるという展開。日本人には受けますよね。
でも始まって、列車襲撃のあたりは、テンポも軽快で良いのですが、リンクと黒田が、二人で追いかけ始めるあたりは、似たような展開が多く、やや話が冗長になってしまい、ちょっと惜しい気がします。
観ていて、細かいところは若干気になりますが、日本の侍をここまで持ち上げてくれると嬉しくなりますね。
リンクが刀を届けると捕まってしまうので、どうやって刀を返したか?
このラストが粋なカットで終わりますね。
今でこそチャールズ・ブロンソンもアラン・ドロンも過去のスターですが、1970年代当時は、フランス、アメリカを代表するスターでしたね。
特に、1960年代後半から、1970年代前半のアラン・ドロンの日本での人気は凄まじいものがありました。そこへ我らが三船敏郎が絡む。
アラン・ドロンは、キーとなる役ですが、出演シーンからすると二人に比べれば少ない。
しかし、二枚目で非情な悪人で、いわゆる「おいしい役」でしたね。

オーウェン