劇場公開日 2024年1月5日

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「スイカと天ぷら」レザボア・ドッグス ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0スイカと天ぷら

2024年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

映画はひたすら単純明快なエンタメを求めてしまう私にとって、タランティーノ作品はあまり食い合わせがよくないらしく、大変評判のいい三作、パルプ・フィクション、キルビル、イングロリアスバスターズをそれぞれ鑑賞したものの、ああ、そうなのね、ぐらいの感想しか出てこなかった。

ならばと思い、原点に戻って監督処女作となるレザボア・ドッグス、英語の読み方的にはリザーバー・ドッグスになる気がするなーとか思いつつもまあともかく鑑賞。

宝石商の店に強盗に入るために、ロス裏業界の大物ジョーは6人の腕利きを集める。それぞれの腕利きたちは万一逮捕された時のために身分をお互いに把握しないようホワイト、ブルー、オレンジ、ブロンド、ブラウン、ピンクと色の名前で呼ばれる。

作戦決行の当日、店を襲撃した6人だったが、待ち構えていた警官に取り囲まれ、そこで突然キレて発砲しまくったブロンドと呼ばれる男のせいで激しい銃撃戦に。
命からがら逃げてきたホワイト、オレンジの二人は、待ち合わせ場所の倉庫に向かう。
オレンジは逃亡の際に腹を撃たれて重傷、ホワイトがオレンジを励ましつつ車を倉庫に向かわせる。

倉庫に着いて程なくすると、ピンクが一人で戻ってくる。ピンクはひどく興奮し、仲間の中に裏切り者がいると言い出す。でないと説明できないほど警察の到着が早かったと。
彼らは倉庫で仲間を待ちつつ、誰が裏切者かを話し始める。

タランティーノらしく人がバサバサと殺されていくシーンがあるわけではなく、会話の中で激しい銃撃戦があったこと、仲間の何人かは殺されていることなどが分かる。でもいつもよりは血の量は控えめ。時系列を相前後させてそれぞれのキーとなる人物に起こった出来事を振り返りつつ、メインの話の流れに集結させていくのは、伏線回収ではなく今の状況を過去を手繰り寄せて見せていく手法を取っていく。

正直、やっぱりスッキリする感じでも高揚感を感じるでもない結末はあまり得意ではない。けどその後の映画に与えた影響をそこかしこに感じつつ、この監督でなければこの映画は撮れない唯一無二感はしっかり感じる。

きっと好きな人は大好き。そういう映画。

ハルクマール