劇場公開日 2021年5月14日

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「ベベルの財宝 バケーション・アドベンチャー」リオの男 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ベベルの財宝 バケーション・アドベンチャー

2022年6月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

興奮

ハリウッド映画だったら『インディ・ジョーンズ』。
日本だったら『コブラ』や『ルパン三世』。
その元ネタやモデル。
伊達男の役柄が多かったジャン=ポール・ベルモンドから二枚目半なアクション・スターの魅力を確立。
フィリップ・ド・ブロカと組んだ1964年の娯楽冒険活劇の“財宝”。

パリの博物館から一体の小像が盗まれ、寄贈したカタラン教授も誘拐された。
小像はブラジルの古代文明のもので、全部で3つあり、3つ揃えれば財宝の在りかを示すという。
小像は発見した3人がそれぞれ隠し持ち、次に中心人物であった亡き教授の娘アニェスが誘拐される。
残る一つは、リオデジャネイロの実業家の元に。
アニェスの恋人で一週間の休暇中だった兵隊のアドリアンは、恋人を救出すべく、パリから遥々リオデジャネイロへ…。

その年の米アカデミー脚本賞にもノミネートされたらしいが、はっきり言ってストーリーはあって無いようなもの。荒唐無稽、行き当たりばったり…。
ストーリー云々と言うより、漫画的だが見る者を飽きさせない痛快で軽快な展開が楽しい。

パリやリオデジャネイロの街中~郊外~ジャングルを股に駆けた変わる変わる舞台とアクション。
財宝を巡る冒険大活劇。リオデジャネイロやアマゾンのロケも気分を高める。
ジャッキー・チェンばりのノースタント・アクションにインディのようなアドベンチャー。そこに、ルパン三世的展開とユーモア。
オチも笑わせてくれる。アドリアンは列車発車に間に合ったのに、友人はギリギリ。パリの外れからやっと。
こっちはアマゾン~リオデジャネイロから。それでも間に合ったんだぞ。スゲェー休暇だったんだ。

敵は何者か…?
黒幕は意外な人物。
裏切り、富や欲の独占。
宝を手に入れた!…と思った矢先の末路…。
アドベンチャー物の教訓あるある。

あのカトリーヌ・ドヌーヴの姉、フランソワーズ・ドルレアックのお転婆ヒロインも魅力。美貌が映え、その後事故で若くして急逝したのが惜しまれる。
冒険には相棒が付き物。前半のリオデジャネイロの街中だけだが、靴磨きの少年がナイス。

とにかくジャン=ポール・ベルモンドが魅せるアクションとコメディセンスに尽きる!
走って駆けて、走って駆けて、馬にバイクに車に飛行機に船にあらゆる乗り物に乗って、高い所によじ登って、大立回りして、アマゾンではターザンばりのスイングまでして、画面狭しと縦横無尽。
本当に劇中の半分以上はアクションか走ってる。撮影大変だったろうなぁ…。お疲れ様です。
CGなど当然無く、ノースタント。以後、それは代名詞に。それが出来たのも、スポーツマンであった高い身体能力故。
唯一スタントを使用したのは、中盤の飛行機アクション。
その身体を張ったアクションは後のアクション・スターに多大な影響を与えている。ジャッキーもその一人で、後の作品でオマージュを捧げているとか。
当代きっての命知らずスタントのトム・クルーズの大先輩で、ノースタント・アクションスターの先人。
硬派じゃなく、ユーモラスなのがまた魅力。
役柄はインディのような冒険家でもルパン三世のような怪盗でもない。ただ休暇を利用して恋人に会いに来た平凡な一兵隊の男。そんな彼がとんだ事件と冒険に…!いわゆる“巻き込まれ型”。
そりゃあボヤキや減らず口も出るよ。
恋人アニェスもじゃじゃ馬で、やり取りは夫婦漫才。
でも、キメる時はキメる! ピンチに直面した時の機転の良さ、お気楽で抜けてるように見えて実は目が光る。
考えるより先に身体が動く。巻き込まれとは言え、恋人を助ける為に遠い異国まで走れるか…?
カッコ良さ、ユーモア、ロマンチスト…全ての魅力を備えた“漢”という言葉はベベルの為にある。

近大
ジョニーデブさんのコメント
2022年6月11日

小学生の頃に見たので、はっきり言ってストーリーはほとんど覚えていないのですが、すごく面白かったという事だけは覚えております。レビューを読んでいたらまた見たくなりました。

ジョニーデブ