「ノリの良さは、悪ノリへの序章」リーサル・ウェポン3 うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
ノリの良さは、悪ノリへの序章
本当に作りたくてこのシリーズを継続したのか、映画会社のゴリ押しに辟易としながら、「こんなところで納得しちゃあもらえまいか?」という、ドナー監督の嘆きが聞こえてきそうな展開。
ふざけているようで、実は現実との折り合いをうまくつけられないパラノイア的気質を上手く絡めた演出で、パート2は上手くいったと思う。ところが、パート3では、その発展形にとどまり、新機軸を打ち出せていない。悪役も魅力不足だし、レネ・ルッソとのラブシーンは美しくも、妖しくもなく、やる意味があったのかとすら思う。
いちばんの不満点は、メル・ギブソンの人気におもねる余り、彼の主張を受け入れすぎたことだと思う。そもそもの人物設定から、大きく逸脱したリッグス刑事なんて、映画の登場人物としては何の魅力もない。
あろうことか、テレビシリーズがウケたことで、更なるキャラ変を余儀なくされ、主役キャラがクビになるという前代未聞の事態に発展してしまった。『リーサル・ウェポン』とっておきの隠し武器=人間兵器という原点回帰を意識してほしい。
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